ヌケメ個展「Don’t Be Evil」がLEESAYAにて開催 | Numero TOKYO
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ヌケメ個展「Don’t Be Evil」がLEESAYAにて開催

Don’t Be Evil 、2022年 ©︎Nukeme, Photo by Naoki Takehisa, Courtesy of LEESAYA
Don’t Be Evil 、2022年 ©︎Nukeme, Photo by Naoki Takehisa, Courtesy of LEESAYA

コンピュータミシンのデータをハッキングする「グリッチ刺繍」という表現手法で作品を展開する、アーティストのヌケメ。LEESAYA(東京・不動前)では2度目の個展となる「Don’t Be Evil」を開催。従来のグリッチ刺繍の作品群のほか、新たな作品を発表する。

服飾の専門学校であるエスモード大阪校を卒業し、現在はファッションや広告業と並行して、テクノロジーを活用した作品制作にも意欲的に取り組むヌケメ。2012年には文化庁メディア芸術祭にて審査委員会推薦作品に、2014年にはYouFab Global Creative Awards 2014ファイナリストに選ばれるなどし、国内外での発表も活発に行っている。

2021年開催されたLEESAYAでの個展では、ヌケメの代表作である「グリッチ刺繍」の作品群を旧作から新作まで幅広く公開した。「グリッチ」とはデータや機器の破損や、破損しているが再生可能なデータ状態のことを意味するが、ヌケメはこれを表現手法として用いている。コンピュータミシン用の刺繍データのバイナリを置き換え、針の動きに直接グリッチを起こすといったものだ。意図的にデータを壊し、破損した状態を出力することで、見慣れたイメージやロゴへの認識にバグを起こす。

(参照)ロゴをハックしたアート作品「グリッチ刺繍」

Don’t Be Evil 、2022年 ©︎Nukeme, Photo by Naoki Takehisa, Courtesy of LEESAYA
Don’t Be Evil 、2022年 ©︎Nukeme, Photo by Naoki Takehisa, Courtesy of LEESAYA

同ギャラリーで2度目の開催となる本展では、従来のグリッチ刺繍の作品群に加え、平面作品へ展開したユニークピースを新たに発表。展覧会タイトル「Don’t Be Evil(邪悪になるな)」は、Googleの企業行動規範のモットーとして創業以来掲げられていた一節である。その後2018年にこの一節は削除され、親会社Alphabetにより「Do the right thing(正しいことをしよう)」という新たな規範が示されたという。情報社会の機微に敏感に触れてきたヌケメにとって、現代における正悪やルールに問いを投げかける展覧会となりそうだ。会期は8月21日(日)まで。

ヌケメ「Don’t Be Evil」
会期/2022年8月06日(土)〜 8月21日(日)
会場/LEESAYA
住所/東京都目黒区下目黒3-14-2
時間/水〜土曜12:00〜19:00、日曜12:00〜17:00
休館日/月・火・祝日
URL/leesaya.jp/home/

Text:Akane Naniwa

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