ドン ペリニヨンの元醸造最高責任者によるプレステージな日本酒「IWA」 | Numero TOKYO
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ドン ペリニヨンの元醸造最高責任者によるプレステージな日本酒「IWA」

シャンパーニュの代名詞的メゾン「ドン ペリニヨン」で28年にわたり5代目醸造最高責任者を務めたリシャール・ジョフロワが、2020年に富山で立ち上げた日本酒ブランド「IWA」から第三弾となる「IWA 5 アッサンブラージュ3」がリリースされた。

「IWA5 アッサンブラージュ3」 Photo by Jonas Marguet
「IWA5 アッサンブラージュ3」 Photo by Jonas Marguet

プロジェクトの発表直後から日本酒業界、ワイン業界では大きな話題となったドン ペリニヨンの元醸造最高責任者による日本酒造りだが、そのニュースを知らなければ「シャンパーニュの醸造家がつくる日本酒って?」とクエスチョンマークが頭に浮かぶはず。その疑問をひもとくキーワードがフランス語で“組み合わせる”といった意味を持つ「アッサンブラージュ」という言葉だ。

IWA創立者・醸造家 リシャール・ジョフロワ Photo by Marion Berrin
IWA創立者・醸造家 リシャール・ジョフロワ Photo by Marion Berrin

シャンパーニュでは複数の畑から採れた複数のブドウ品種をブレンドしてベースとなるワインを造り、そこに貯蔵しておいた前年度までのワイン(リザーヴワイン)を足したりすることで品質を保ち、新たな味わいを創り出す手法が一般的に採用される。これこそがアッサンブラージュの技法だ。

畑、品種、収穫年の3つを複雑にかけ合わせることで、世界でもシャンパーニュでしか味わえないような複雑さが生み出される。そして、それをコントロールするのがときに芸術家にもたとえられる醸造責任者の仕事なのだ。それを日本酒造りに取り入れたのがリシャール・ジョフロワとIWAの試みだと聞くと、お酒好きの方ならちょっとワクワクしてくるのではないだろうか。

Photo by Nao Tsuda
Photo by Nao Tsuda

今回リリースされた「IWA 5 アッサンブラージュ3」は、コロナ禍が続くなかフランスに原酒を運び、それらをアッサンブラージュすることで作り上げたプレステージな日本酒。異なる産地で栽培された山田錦、雄町、五百万石といった酒米と5種類の酵母を掛け合わせて醸された20数種の原酒を卓越した技術でアッサンブラージュし、その深い調和と複雑な味わいは造り出されている。いわばシャンパーニュの技法が伝統的な酒造りと融合した日本酒なのだ。

気になるのはその味わいだが、まるでワインのテイスティングノートのような公式の説明文によれば、ノーズ(香り)は輝きや植物のアロマを感じるフローラルなもので、ホワイトペッパーのニュアンス。味わいは重力を感じさせない軽やかさのなかに力強さがあり、緻密で深みがあるという。

2022年が3度目のリリースとなる「IWA 5」、そのバランスはリリースのたびに進化を続けているという。ワインラヴァー、あるいは日本酒愛好家ならずとも、一度は飲んでみたいお酒ではないだろうか。

「IWA 5 アッサンブラージュ3」
720ml 14,300円
https://iwa-sake.shop

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