ラ・プレリーがNFTアートを発表。香港出身アーティスト、カーラ・チャンとのコラボで
“キャビア”スキンケアでおなじみのスイス発高級ブランド「ラ・プレリー」。「アート」「サイエンス」「ビューティ」の融合をテーマにするラ・プレリーは、長年にわたってアート・バーゼルと提携するなど、アートとのコラボレーションを継続してきたスキンケアブランドとして知られている存在だ。
そのラ・プレリーが、アートを通じて今話題のNFTに進出。デジタル・アーティストのカーラ・チャンとのコラボレーションで、「Fading Space of Dawn(消えゆく夜明けの空間)」と題するアートを発表した。
香港出身のカーラ・チャンは、自然をインスピレーション源に、抽象と具象の間で、動きが支配する感覚的な世界に観客を引き込み、現実離れした体験を作り出すアーティスト。
進化し、変化し続ける——NFTならではのアート作品
「Fading Space of Dawn」は、ラ・プレリーの生まれ故郷であるスイスアルプスの景観を没入型バーチャル景観で表現。リアルタイムの気象データをもとに天候によって変化し生成されるNFT作品で、天気や人口データの変化に応じてアート自体も変化するというユニークなもの。
「手つかずの自然と人が出会い、そこから感じられる静けさと美しさが、自然と人類の関係、そして人類が自然とどのように共存していけるのか、じっくりと考えるきっかけを与えてくれました。私にとって重要なのは、そのような深い洞察をもたらす没入感のある体験を作り出すことでした」(カーラ・チャン)
最新のメディアやテクノロジーを用いて、自然がもたらす儚い瞬間を捉えたクリエイションの背景には、気候変動や氷河の減少という環境問題というテーマが横たわる。NFTの販売収益の一部は、ラ・プレリーと長期的パートナーシップを結ぶスイス連邦大学チューリッヒ校の氷河部門に寄付されるそう。
ファッション業界に続いて、NFTへの進出が注目されるビューティ業界。今後どのような組み合わせでNFT化が進むのか、期待される。
Edit & Text : Naho Sasaki