米原康正キュレーション。“カワイイ文化の祖”内藤ルネの男性画を集めた展覧会 | Numero TOKYO
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米原康正キュレーション。“カワイイ文化の祖”内藤ルネの男性画を集めた展覧会

東京・渋谷のMIYASHITA PARK内にあるカルチャーハブステーション「or(オア)」で、内藤ルネの男性画を集めたエキシビション『「BOYS IN LOVE/恋する男たち」〜それを⼈は薔薇族と呼んだ〜』が2022年2月18日(金)まで開催中。 2020年11月より始動した、「or」と編集者・米原康正が主宰するレーベル「+DA.YO.NE」(略称:ダヨネ)によるアートプロジェクト「OR TWELVE ARTISTS × OTAQUEST +DA.YO.NE」では、米原康正が12人のアーティストピックアップし、12カ月間に渡って紹介。作品の展示、音楽イベント、コラボアイテムの作成、ポップアップストアの開催などさまざまな企画を実施している。2月は、イラストレーターなどマルチに活躍したアーティスト、内藤ルネの男性画をピックアップ。

内藤ルネは、1950年代から60年代にかけて当時人気を博したファッション誌『ジュニアそれいゆ』の表紙と挿絵を担当し、ブレイク。デフォルメした大きな目、小顔にひょろ長いプロポーションのヴィヴィッドでエネルギッシュな女の子を描き、多くの少女たちの心を捉え、「カワイイ⽂化の祖」と言われている。

一方、内藤は早い時期から自身がゲイであったことをカミングアウトし、1984年から14年間ゲイ専門誌『薔薇族』の表紙を描き続けていた。当時はそんなゲイを描いた作品は「カワイイ」の真逆をいく存在として「裏ルネ」と呼ばれ、「知る人ぞ知る」という位置づけだった。

しかし、LGBTカルチャーにようやく光が当たるようになったいま、「裏」は「表」の存在に。本展は米原のキュレーションにより、そんな内藤の早すぎた才能をもう一度見つめ直そうというプロジェクトである。

1FのPOP UPでは、米原がセレクトしたゲイ雑誌『薔薇族』の表紙画や貴重なスケッチを展示しているほか、シルクスクリーンプリントの販売も。3Fアイランドモニターにて限定ムービーも公開中だ。

また同展は、3月に東京・渋谷のTRUNK(HOTEL)でも開催予定。この期間に間に合わなかった方は、ぜひこちらに足を運んでみては。

内藤ルネEXHIBITION「BOYS IN LOVE/恋する男たち 〜それを人は薔薇族と呼んだ〜」
開催期間/2月11日(金)~18日(金)
営業時間/11:00〜21:00
会場/or
住所/東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITAPARK North 1~3F
TEL/03-6712-5277


内藤ルネEXHIBITION「BOYS IN LOVE/恋する男たち 〜それを人は薔薇族と呼んだ〜」
開催期間/3月24日(木)~27日(日)
営業時間/13:00〜20:00(最終入場19:00)
会場/TRUNK(HOTEL) 
住所/東京都渋谷区神宮前5-31
TEL/03-6712-5277

Text:Mariko Kimbara

Profile

内藤ルネRune Naito 1932年生まれ。イラストレーター、人形作家、デザイナー、エッセイストなど幅広く活動。1950年代〜1960年代にかけてファッション誌『ジュニアそれいゆ』の表紙と挿絵を担当し、ブレイク。彼の描くヴィヴィッドに彩られたキッチュな少女画は、古い美少女観を覆し、「カワイイ文化の祖」と呼ばれた。2007年に逝去。
米原康正Yasumasa Yonehara 編集者、アーティスト、キュレーター。東京ストリートな女子文化から影響を受けたその作品は、雑誌などメディアの形をして表現されることが多く、90年代以降の女子アンダーグランドカルチャーの扇動者でもある。1月28日発売のNumero TOKYO 3月号では、彼が注目するガールズカルチャーの最前線を30ページに渡り特集している。中国のSNS、ウェイボで280万人のフォロワーを持つ。 Instagram:@yone69harajuku

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