注目のアーティストbaanaiの個展@MAKI Gallery | Numero TOKYO
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注目のアーティストbaanaiの個展@MAKI Gallery

  baanai 『ARIGATOUGOZAIMASU』 (BBF 020H-36) (2022年) Acrylic on canvas, 227.3 x 545.4 cm Courtesy of MAKI Gallery
baanai 『ARIGATOUGOZAIMASU』 (BBF 020H-36) (2022年) Acrylic on canvas, 227.3 x 545.4 cm Courtesy of MAKI Gallery

東京・天王洲のMAKI Gallery / 天王洲 IIにて、小誌『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』も注目し続けているアーティスト、baanaiの個展「UNLOGICAL」が開催中。会期は、2022年2月5日(土)〜3月19日(土)まで。 

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baanai 『ARIGATOUGOZAIMASU』 (BBF 019G-70) (2021年) Acrylic on canvas, 227.3 x 181.8 cm Courtesy of MAKI Gallery
baanai 『ARIGATOUGOZAIMASU』 (BBF 019G-70) (2021年) Acrylic on canvas, 227.3 x 181.8 cm Courtesy of MAKI Gallery
湘南の鵠沼に生まれ、現在もこの地で活動しているbaanai 。15 年に、コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)の川久保玲にポートフォリオを送り、初めて作品が採用され一躍注目を集める。その後も多くのブランドに作品が起用され、次々に個展を開催するなど、一見華やかにみえる活躍の裏側で、baanai はひたむきに自身のアートを追求してきた。 執拗なまでに反復された文字によって画面全体を埋め尽くすという、独自のスタイルで作品を制作。鑑賞者は何層にも塗り重ねられた画面の奥に奥にと引き込まれていく。そこには、かつて抑圧されたアートへの欲動、そして、生まれ育った鵠沼のサーフィン文化、グラフィティの要素などが色濃く反映されている。

baanai 『ARIGATOUGOZAIMASU』 (BBF 019G-71) (2021年) Acrylic on canvas, 227.3 x 181.8 cm Courtesy of MAKI Gallery
baanai 『ARIGATOUGOZAIMASU』 (BBF 019G-71) (2021年) Acrylic on canvas, 227.3 x 181.8 cm Courtesy of MAKI Gallery

17年からは、キャンバスに「ARIGATOUGOZAIMASU」の言葉を繰り返し描くことを軸に芸術実践を続けている。大胆で魅惑的なブロック文字はあらゆるスペースを埋め尽くし、しばしば文字が隠れるほど重なり合い、抽象化され、ほぼ認識することができなくなる。

MAKI Galleryでの初個展となる本展では、明るく鮮やかな作品も並ぶ一方で、静かなトーンの作品が多くを占める。ただただ優しく、そして誰よりもまっすぐに前を向き、心の底からあらゆる存在に感謝の念を注ぐ作家自身をより的確に表した作品群を展示。
「UNLOGICAL」という展覧会タイトルは、三島由紀夫が東大全共闘との対談集のあとがきで述べた「非論理性[UNLOGICAL]」という言葉より引用されたという。

「正しいかどうか分からないことを懸命にやり続けること、自分が信じたいことに真っ直ぐ突き進む。それが1つのアートとしての姿勢になるのではないか。ARIGATOUGOZAIMASUの実験は、極めて個人的な解釈であり、世間的に、また宇宙的に正しいかどうか分かりません。文字(ARIGATOUGOZAIMASU)をアートとして成立させたい。そのために取り組んでいることは『文字』を『想い』に変換すること。目に見えない波動、念や想いこそが大事なのではないか。具体的には、最下層に一面ARIGATOUGOZAIMASUを描き、それを塗り重ねて見えなくすることで文字(言葉)を想いに変換出来るのではないかと考えます」とbaanaiは語る。

baanaiの過去最大級となるプレゼンテーション。その重層的かつ瞑想的な絵画に深く潜り込み、作品の根源を探求するために、ぜひ足を運んでみたい。

※掲載情報は2月8日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。

「UNLOGICAL」
会期/2022年2月5日(土)〜3月19日(土)
会場/MAKI Gallery / 天王洲 II
住所/東京都品川区東品川1-32-8
URL/https://www.makigallery.com/exhibitions/6162/

Text : Akiko Kinoshita

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