マルジェラや舘鼻則孝も。「奇想のモード」展 開催中 | Numero TOKYO
Art / Post

マルジェラや舘鼻則孝も。「奇想のモード」展 開催中

ドレスやファッションアイテムなどの傑作から、モードに潜むシュールレアリスムに迫る展覧会が開催中。東京・目黒の東京都庭園美術館にて、2022年4月10日(日) まで。

マルタン・マルジェラ『ネックレス』(2006年) 京都服飾文化研究財団蔵、京都服飾文化研究財団撮影
マルタン・マルジェラ『ネックレス』(2006年) 京都服飾文化研究財団蔵、京都服飾文化研究財団撮影
20世紀最大の芸術運動であるシュールレアリスムが、モードの世界にもたらした美の表現に迫る本展「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」。ドレスやネックレスなどのファッションアイテムのほか、16世紀のファッションプレート(※)から現代アートまで、「奇想」をテーマに幅広く展示する。 ※ファッションプレート……当時のファッションを伝える銅板手色彩の版画のこと。 モードとシュールレアリスムは、お互いに深く関わり合っている。19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したファッションデザイナーのエルザ・スキャパレッリは、シュールレアリスムが持つ特異な感覚をモードの世界へ積極的に取り込んだ一方、シュールレアリストのサルヴァドール・ダリやルネ・マグリット、マン・レイなどは、帽子や靴、手袋といったファッションアイテムを霊感の源と捉え、絵画や写真、オブジェなどの作品に生かしていったという。
ライチョウの足のブローチ、スコットランドWBS (Ward Brothers) 工房(1953年) アクセサリーミュージアム蔵
ライチョウの足のブローチ、スコットランドWBS (Ward Brothers) 工房(1953年) アクセサリーミュージアム蔵
本展では、モードの衣裳に施されたトロンプ・ルイユ(だまし絵)的なイラストや、内側と外側の意識を反転させたようなデザインなど、シュールレアリスムを契機として出現したユニークな発想力の作品が展示される。
ハリー・ゴードン『ポスター・ドレス』(1968年頃) 京都服飾文化研究財団蔵、畠山崇撮影
ハリー・ゴードン『ポスター・ドレス』(1968年頃) 京都服飾文化研究財団蔵、畠山崇撮影
 

また、シュールレアリストの感性を持ち合わせた現代のファッションデザイナーらにも注目。ハリー・ゴードンやマルタン・マルジェラ、ドルチェ&ガッバーナのほか、舘鼻則孝や永澤陽一、串野真也の作品なども展示される。
ぜひ、お見逃しなく。

舘鼻則孝『Heel-less Shoes (Lady Pointe)』(2014年) 個人蔵、GION撮影
舘鼻則孝『Heel-less Shoes (Lady Pointe)』(2014年) 個人蔵、GION撮影

※掲載情報は1月26日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム
会期/2022年1月15日(土)〜2022年4月10日(日)
会場/東京都庭園美術館 本館+新館
住所/東京都港区白金台5–21–9
入場料/一般 1400円、大学生(専修・各種専門学校含) 1120円、中・高校生 700円、65歳以上 700円
時間/10:00〜18:00
休館/毎週月曜日
※但し、3月21日(月)は開館し、3月22日(火)は休館
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/www.teien-art-museum.ne.jp

Text : Manami Abe

Magazine

MAY 2024 N°176

2024.3.28 発売

Black&White

白と黒

オンライン書店で購入する