倉田悟が「2P」(小山登美夫ギャラリー)ほか、都内3箇所にて個展を開催中 | Numero TOKYO
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倉田悟が「2P」(小山登美夫ギャラリー)ほか、都内3箇所にて個展を開催中

2P(よなぎ・きかいのめ) 2P (Night Calm, the Eyes of the Machine) 2022 oil on canvas 149.0 x 199.0 cm ©Satoru Kurata
2P(よなぎ・きかいのめ) 2P (Night Calm, the Eyes of the Machine) 2022 oil on canvas 149.0 x 199.0 cm ©Satoru Kurata

絵画でしかあり得ない表現を模索する、注目のアーティスト・倉田悟。都内三箇所にて個展が開催中。なかでも小山登美夫ギャラリーで公開中の「2P」を紹介する。

作家の記憶に強烈に残っている「極めて個人的」な経験から着想を得て、夕暮れ、海、夜、車、卵、寝るという行為などのモチーフを繰り返し描く倉田悟。仮面のような動物化した人間や、擬人化された動物が、静謐な存在感と、ユーモラスでありながら時に不穏さを帯びて描かれている。そうしたインスピレーションと、デジタル・ドローイングや物質的な制作プロセスとの反復の間で、倉田は「イメージの解像度を上げたり下げたり」することで、絵画でしかありえない表現を模索しているという。

2P(あかいしんしつ) 2P(Red Bedroom) 2022 oil on canvas 157.0 x 127.0cm ©︎Satoru Kurata
2P(あかいしんしつ) 2P(Red Bedroom) 2022 oil on canvas 157.0 x 127.0cm ©︎Satoru Kurata

本展では、倉田が近年取り組んできた、画面を複数に分割するシリーズで構成。これまでにも類似の手法を用いてきたが、新作では各登場人物から見た一人称の異なる景色が分割により、ひとつのキャンバスに共存することが特徴だ。見るものに自身の記憶や夢のワンシーンを追体験させると同時に、倉田が「作者も鑑賞者の存在も介在しない自閉的な視覚空間を作ろうとしている」と述べるように、絵画史に遍在する、画中のできごとを俯瞰する三人称的なまなざしへの挑戦でもある。絵を見ているのは誰か、あるいは絵を見るとは何かという絵画における根本的な問いを誘発させているとも言えるだろう。

また、東京・池尻のCAPSULEおよび隣接するカフェSUNDAYでも個展が同時開催中だ。こちらも合わせてお見逃しなく。

※掲載情報は1月10日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

倉田悟「2P」
会期/2022年12月17日(土)〜2023年1月21日(土)
会場/小山登美夫ギャラリー六本木
住所/東京都港区六本木6丁目5-24 complex665 2F
開館時間/11:00〜19:00
休館日/日・月曜、祝日
URL/tomiokoyamagallery.com/

Text:Akane Naniwa

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