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長島有里枝ゲストキュレーションのグループ展開催@金沢21世紀美術館

長島有里枝『Self-Portrait (Brother #32A) From the series Self-Portrait』 1993 作家蔵 ©️Yurie Nagashima
長島有里枝『Self-Portrait (Brother #32A) From the series Self-Portrait』 1993 作家蔵 ©️Yurie Nagashima

石川県金沢市の金沢21世紀美術館にて、展覧会「ぎこちない会話への対応策—第三波フェミニズムの視点で」が開催中。ゲストキュレーターとしてアーティストの長島有里枝が、1990年代以降に活動を始めた10作家から、フェミニズムの視点から新たな解釈可能性を見出す試みだ。

93年のデビュー以来、自身を含む同世代の女性写真家を「女の子写真」とカテゴライズされることに疑問を持ちながら、作品制作と執筆活動を続けてきたという、長島有里枝。当時より80年代のメディアが喧伝した揶揄的なフェミニスト像に違和感を持っていた彼女は「フェミニスト」と自称することを避けつつも、常に男性中心主義的な価値観への問題提起を作品にしてきた。

長島がゲストキュレーターとして構成する本展は、彼女の採用するフェミニズム的視座によって、自身を含む現代作家10名の作品に新たな解釈可能性をもたらすという試みだ。

「フェミニスト」と表立って自称することは避けながらも、社会における女性の立場には違和感を抱いていた同世代の女性作家たちが、その状況に対しどのような対応策を作品として提示してきたのか。また、自身はフェミニストか否かを問う契機を得てこなかった男性作家たちの作品は、そもそもフェミニズムと関わりを持っているのか、そうであればどのように関係性を築いているといえるのかなど、語られてこなかった作家たちの企図を作品に読み解いていく。

潘逸舟『無題』2006 作家蔵 ©️Ishu Han, Courtesy of ANOMALY
潘逸舟『無題』2006 作家蔵 ©️Ishu Han, Courtesy of ANOMALY

岩根愛『My Cherry』2020 作家蔵 ©︎Ai Iwane
岩根愛『My Cherry』2020 作家蔵 ©︎Ai Iwane

長島と作家の深い対話によって選び抜かれた作品は、表現メディアが多岐にわたるのみならず、ジェンダーや家族、アイデンティティ、エスニシティ、社会規範など、フェミニズムの概念と密接な関わりある複雑な要素が作品背景にあるものばかりだ。

10名の出品作家には、祖母が生まれ育った中国の村にかつてあった風習にインスピレーションを受けて制作したセルフポートレイトを発表する潘逸舟や、日系四世としての自身のルーツに関連した作品を公開するミヨ・スティーブンス-ガンダーラ、国籍や人種、アイデンティティなどを主題にさまざまな表現方法で作品をつくるミヤギフトシなど、出自や表現も多様なアーティストが揃う。同美術館にて同時開催中のグループ展「フェミニズムズ /FEMINISMS」と合わせ、ぜひ注目を!

ミヤギフトシ『1970 and Other Works』2007-2016 個人蔵 Photo: TAKAHASHI Kenji
ミヤギフトシ『1970 and Other Works』2007-2016 個人蔵 Photo: TAKAHASHI Kenji

※掲載情報は11月15日時点のものです。
 開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。


「ぎこちない会話への対応策—第三波フェミニズムの視点で」

会期/2021年10月16日(土)〜3月13日(日)
会場/金沢21世紀美術館
住所/金沢市広坂1-2-1
時間/10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
料金/一般 1,200円、大学生 800円、小中高生 400円、65歳以上の方 1,000円
休館/月曜 ※ただし11月1日、11月22日、2022年1月3日、1月10日は開場、 11月24日(水)、12月29日(水)~2022年1月1日(土・祝)、1月4日(火)、1月11日(火)
TEL/076-220-2800
URL/www.kanazawa21.jp

Text:Akane Naniwa

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