小さな声に耳をすませる、井上隆夫個展@京都市・node hotel
消えゆく「小さな声」に耳をすませ、タンポポなど植物をアクリルに封じ込める作品をつくってきた井上隆夫が個展を開催。会場は、wamono art contemporaryとアートコレクターの住まいをコンセプトに、数多くのアート作品を展示する京都市のnode hotelだ。
映像や商業的分野で活動をしながら、タンポポをアクリル封入するシリーズを制作してきた井上隆夫。東日本大震災以降の2014年から、相次いで奇形のタンポポと遭遇したことをきっかけに「世の中の大きな動きの中で取り残されながらも存在し続けるもの」に理由があるのではないかと考え、制作を試みてきた。作品には360度すべての視点を封入させ、存在そのものを多次元的に解放させようとしているという。
このたびnode hotelを会場に個展を開催。存在が認められぬものとなってしまった「ブロークン・チューリップ」など、移りゆく時代とともに変化する価値観の中で無視され、消えてゆく「小さなヴォア(=小さな声)」へ、井上が耳をすますように採取し、制作した作品が公開となる。未発表作や新作を含む約30点が、まとまったかたちで初めて紹介される貴重な機会となりそうだ。会期は11月14日(日)まで。
※掲載情報は10月22日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
井上隆夫 「小さなヴォア」展
会期/2021年10月22日(金)〜 2021年11月14日(日)
会場/node hotel 1F
住所/京都市四条⻄洞院上ル蟷螂山町 461
問い合わせ/wamonoart.com, info@wamonoart.com
URL/nodehotel.com
Text:Akane Naniwa