森村泰昌の大型プロジェクト @アーティゾン美術館
現代アーティスト・森村泰昌による、最新作の大型プロジェクトが公開された。「ジャム・セッション 森村泰昌 M式「海の幸」」と題して、明治の洋画家・青木繁の作品を探求した作品などを展示する。東京・京橋のアーティゾン美術館にて、2022年1月10日(月・祝) まで。
アーティゾン美術館と現代アーティストの共演による注目企画「ジャム・セッション」。その第2弾に森村泰昌が登場し、1フロア全体を会場に新作のプロジェクトを展示している。 「ジャム・セッション」は、同館が所蔵する2800点以上の石橋財団コレクションと現代アーティストとの出合いによって新たな視点を生み出そうとするもので、第1弾には鴻池朋子(こうのいけ・ともこ)の展覧会が行われ、大きな反響を呼んだ。(※1) (※1)参考記事:Numero.jp「五感で体験する野生なるもの「鴻池朋子 ちゅうがえり」展」
現代アーティストの森村泰昌は、1985年にゴッホの自画像に扮したセルフポートレート写真を制作して以降、アーティストの自画像などを独自に再現する「自画像的作品」をテーマにして、作品を制作し続けている。
今回の企画に際して森村は、明治を代表する洋画家・青木繁の代表作『海の幸』(1904年)を軸にして展覧会を構成。見どころの一つは、“M式”(=森村式)に解釈した10点の連作・ M式『海の幸』を円環状に展示する大規模なインスタレーションで、森村が演じる85人の人物が登場。青木が生きた明治時代から今日に至るまでの世相を反映し、絵巻物的な世界を表現する。
会場では、写真や映像作品など、50点以上が新作の森村作品約60点と、『海の幸』を含む青木作品約10点の共演を目にすることができる。
これまでにも、青木のポートレートを元にした自画像的作品を制作するなど、探求のまなざしを向けてきた森村。その熱い想いが本展で結実し、『海の幸』による円環状の時間旅行空間が出現した。ぜひ、お見逃しなく。
※掲載情報は10月20日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話
会期/2021年10月2日(土)〜2022年1月10日(月・祝)
会場/アーティゾン美術館 6階展示室
住所/東京都中央区京橋1-7-2
料金/日時指定予約制:ウェブ予約チケット 1200円、当日チケット(窓口販売) 1500円、学生 無料(要ウェブ予約)
※ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、当日チケットを販売
※中学生以下はウェブ予約不要
時間/10:00〜18:00(金曜日は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館/月曜日(但し、1月10日(月)は開館)、年末年始(2021年12月28日(火)〜2022年1月3日 (月))
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/www.artizon.museum/
Text : Manami Abe