長野の自然とアートを堪能する「北アルプス国際芸術祭」開催中
長野県大町市を舞台に、アート作品やパフォーマンスなどを展開する「北アルプス国際芸術祭」。2017年の初回に続き、2度目の開催となる本祭がスタート。コロナウイルス感染拡大の影響を受け会期は延期されたものの、10月2日(土)より1ヵ月以上にわたりアート作品が展開中だ。
今回で2回目となる「北アルプス国際芸術祭」は、長野県大町市の自然の豊かさを表す「水、木、土、空」を大きなテーマに芸術祭を開催。総合ディレクターには瀬戸内国際芸術祭など数々の芸術祭を手がける北川フラムが、さらにビジュアル・ディレクターとしてミナペルホネンの皆川明が参加し、北アルプスの水と人間の営みを明らかにする試みだ。 会期延長を経て10月2日(土)よりスタートしたアート会期では、アジアやヨーロッパの国々に加え、中南米やアフリカなどから11の国と地域から36組のアーティストによる作品を展開。特徴ごとに市内を5つのエリアに分け、それぞれの魅力を引き出した作品を公開中だ。 千国街道の宿場町として栄えた「市街地エリア」は、生活用水として使われた水路や町屋づくりの家並みが趣を残す場所だ。記憶の痕跡を用いて時を視覚化するアーティスト、宮永愛子は若一王子神社を会場に、空間の風や光を捉えたインスタレーションを発表。フランス人アーティストのニコラ・ダロは「塩の道」をモチーフに、機械仕掛けのフィギアで構成したサウンドインスタレーションを蔵の中に設置し、蔵全体を大きなミュージックボックスに変えた。商店街の空き家や蔵、旧小学校などといった場所どう活用しているかも見どころだ。
鹿島川、高瀬川の川沿いを指す「源流エリア」は、大町市の自然環境が最も体感できる。前回の2017年に恒久作品となった川俣正の『源汲・林間テラス』や、巨大な世界地図のようにも見える紙の彫刻を展開するリー・ホンボー(中国)、北アルプスの登山者を守る山小屋のようであり、礼拝堂も連想させるエマ・マリグ(チリ/フランス)の空間など、豊かなラインナップが揃う。
また、鑑賞の合間に地元の食を味わうのもこの芸術祭の醍醐味だ。芸術祭限定販売のお弁当や、大町市出身の料理研究家が開発したメニューなど盛りだくさん。芸術祭の詳細は公式ウェブサイトにてご確認を。
※掲載情報は10月12日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
北アルプス国際芸術祭2020-2021
アート会期/10月2日(土)~11月21日(日)
会場/長野県大町市
TEL/0261-85-0133
URL/shinano-omachi.jp/
Text:Akane Naniwa