匂い立つ“美男”の園へ! 「美男におわす」展が開催中 | Numero TOKYO
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匂い立つ“美男”の園へ! 「美男におわす」展が開催中

川井徳寛 『共生関係〜自動幸福〜』 (2008年) 鎌苅宏司氏蔵 ©Tokuhiro Kawai, Courtesy of Gallery Gyokuei
川井徳寛 『共生関係〜自動幸福〜』 (2008年) 鎌苅宏司氏蔵 ©Tokuhiro Kawai, Courtesy of Gallery Gyokuei

江戸時代から現代までの“美男画”が集う「美男におわす」展が、埼玉県・浦和の埼玉県立近代美術館にて開催中。会期は、2021年9月23日(木・祝)〜11月3日(水・祝)まで。

入江明日香 『廣目天』 (2016年) 丸沼芸術の森
入江明日香 『廣目天』 (2016年) 丸沼芸術の森
「かまくらや みほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におわす 夏木立かな」と、与謝野晶子が鎌倉の大仏の姿に自分なりの“美男”を見出したように、人々は男性像に理想を投影し、心をときめかせてきた。あるときは聖なる存在として、またあるときは憧れのヒーローとして、あるいは性愛の対象として、さまざまな男性像が制作され、受容されてきたといえる。

森栄喜 『"Untitled" from the Family Regained series』 (2017年) 作家蔵 Courtesy of KEN NAKAHASHI
森栄喜 『"Untitled" from the Family Regained series』 (2017年) 作家蔵 Courtesy of KEN NAKAHASHI

日本美術史において「美人画」とよばれる女性像は、江戸時代の浮世絵や近代絵画において隆盛を極め、現在も高い人気を誇る。一方、男性像に目を向けると、その時々の社会情勢や流行、 男性観などが反映された作品が数多く存在するものの、「美男画」といった呼称でひとくくりにされることはあまりない。

そこで本展では、江戸時代から現代まで、日本の視覚文化のなかの美少年・美青年のイメージを、浮世絵、日本画、彫刻、挿絵、マンガ、写真といった幅広いジャンルから紹介。人々の理想が投影された多様な男性像を、「美人画」ならぬ「美男画」として提示し、男性を美しいものとして表現すること・見ることに光を当てる。

山本タカト 『Nosferatu・罠』 (2018年) 個人蔵
山本タカト 『Nosferatu・罠』 (2018年) 個人蔵

それぞれの作家による時代を反映した男性像、約190点の「美男画」が展示される本展。いざ、増殖する美男の園へ、美男をめぐる旅を始めてみよう!

※掲載情報は9月27日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。

「美男におわす」
会期/2021年9月23日(木・祝)〜11月3日(水・祝)
※会期中一部展示替えあり
※前期10月10日(日)まで、後期10月12日(火)から
会場/埼玉県立近代美術館
住所/さいたま市浦和区常盤9-30-1
開館時間/10:00〜17:30
※展示室への入場は17:00まで
休館日/月
料金/一般 ¥1,200、高校大学生 ¥960
※中学生以下と障害者手帳を提示の方(付き添い1名を含む)は無料
※MOMASコレクション(1F展示室)も入場可能
URL/https://pref.spec.ed.jp/momas/handsome-men-they-are

展覧会図録 『美男におわす』(青幻舎)
発売/2021年9月23日
価格/¥2,970(税込)

Text : Akiko Kinoshita

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MAY 2024 N°176

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