ジュリオ・ル・パルク個展、銀座メゾンエルメスで開催 | Numero TOKYO
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ジュリオ・ル・パルク個展、銀座メゾンエルメスで開催

『ロング・ウォークのエチュード』(一部)(1974年)
『ロング・ウォークのエチュード』(一部)(1974年)

アーティストのジュリオ・ル・パルクによる、日本で初めての個展が開催される。東京・銀座の銀座メゾンエルメス フォーラムにて、2021年11月30日(火)まで。

フランスを拠点に活動するアーティストのジュリオ・ル・パルクは1928年、アルゼンチン生まれ。御年92歳となる現在も精力的に活動を続けている。ピート・モンドリアンやロシア構成主義に大きな影響を受けて、幾何学的な抽象画の制作をスタート。アーティスト数名と結成した視覚芸術探究グループ「GRAV」では、錯視を利用したオプティカル・アートや、動きを取り入れたキネティック・アート、公共の場で観客の参加を促す作品などを通じて、従来のアートの枠組みや鑑賞方法を覆す体験を提案してきた。

展示風景より。  ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
展示風景より。 ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
『反射ブレード(刃板)』(1966-2005年)  ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
『反射ブレード(刃板)』(1966-2005年)  ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
日本で初めての個展となる本展では、ル・パルクの「色」に注目。黒と白、そのグラデーションを出発点とする色への取り組みは、59年以降、独自に構想した14色のみで作品を展開するなど、観る者に常に新鮮な驚きをもたらしてきた。

会場では、初期のモノクロ絵画や色彩表現を探求したドローイング、代表作の『La Longue Marche(ロング・ウォーク)』や『Lames réfléchissantes(反射ブレード)』、GRAV時代から展開してきたモビールの新作などを展示する。また、その展示は、会場である銀座メゾンエルメス フォーラムのファサードやエレベーター、さらにはウィンドウディスプレイにまで及び、ビル全体を使うことで鑑賞者との開かれた関係性の構築に挑んでいる。

『モビール』(2021年) ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
『モビール』(2021年) ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

「ル・パルクの色 遊びと企て」と題された本展。色に込められたその想いを感じてみてはいかが。

※掲載情報は8月18日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「ル・パルクの色 遊びと企て」 ジュリオ・ル・パルク展
会期/2021年8月13日(金)〜11月30日(火)
ファサード展示 期間/2021年7月29日(木)〜10月中旬(予定)
会場/銀座メゾンエルメス フォーラム
住所/東京都中央区銀座5-4-1 8・9F
入場料/無料
時間/11:00〜19:00
休館/不定休
(時間・休館日は、エルメス銀座店の営業時間に準ずる)
TEL/03-3569-3300
URL/www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/210813/www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/window-display/210729/(ウィンドウディスプレイの『視覚遊び』)

Text : Manami Abe

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