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注目のアーティスト、加藤翼の初の大規模個展

『The Lighthouses - 11.3 PROJECT』 2011 photo: Kei Miyajima © Tsubasa Kato / courtesy of MUJIN-TO Production
『The Lighthouses - 11.3 PROJECT』 2011 photo: Kei Miyajima © Tsubasa Kato / courtesy of MUJIN-TO Production

グローバルに展開するプロジェクトの数々で、分断や対立を超えた協働や連帯による可能性を気づかせるアーティスト、加藤翼。東京オペラシティアートギャラリー(東京・初台)にて開催中の展覧会「加藤翼 縄張りと島」は、代表作をほぼ網羅しながら、作家の歩みを見せる自身初の大規模個展だ。

数多くのリサーチやプロジェクトをグローバルに展開し、高い評価と注目を集めている現代美術家の加藤翼。複数の参加者による協働作業が生み出す行為を映像、写真などの作品で発表するアーティストだ。

本展は、2007年以降の映像作品28点および写真、模型などで構成され、加藤の代表作をほぼ網羅しながら、作家の歩みを紹介するというものだ。
中でも注目なのが、加藤の制作の上で大きな契機となった作品『The Lighthouses ‒11.3 PROJECT』。本作は、東日本大震災後の福島に集まった約500人の人々が、津波で壊された家々の瓦礫によって、灯台のイメージに組みあげられた構造体をロープで引き起こすというもの。3.11を逆さにした「11.3(文化の日)」に行われたものの記録で、このプロジェクトの構想を契機に、震災からの復興を目指す地区の祭事の開催へと発展したという。

そのほかに、アメリカ・ノースダコタ州の石油パイプラインの建設地に暮らすプレーリードッグの動きを映しながら、人間の傲慢さによって環境に及ぼす影響や、自然との共生の重要性を提示する『Underground Orchestra』。各々の秘密によってできてしまう「心理的な距離」に焦点を当てた作品『Superstring Secrets: Tokyo』は、秘密の歴史や人間関係の分断などといった問題を可視化させる。そのような世界各地で実践してきたプロジェクトは、ダイナミックなインスタレーションや、臨場感溢れるサウンドも合わさり、見るものの想像力を強く刺激しそうだ。作品が一堂に会す、この貴重な機会をぜひお見逃しなく。

 

『Underground Orchestra』  2017 © Tsubasa Kato / courtesy of MUJIN-TO Production
『Underground Orchestra』 2017 © Tsubasa Kato / courtesy of MUJIN-TO Production

『Superstring Secrets: Tokyo』 2020 © Tsubasa Kato / courtesy of MUJIN-TO Production
『Superstring Secrets: Tokyo』 2020 © Tsubasa Kato / courtesy of MUJIN-TO Production

※掲載情報は7月26日時点のものです。
 開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

加藤翼 縄張りと島 Tsubasa Kato: Turf and Perimeter
会期/2021年7月17日(土)〜9月20日(月)
会場/東京オペラシティ アートギャラリー
時間/11:00〜19:00(入場は18:30まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月1日(日・全館休館日)
入場料/一般1,200(1,000)円、大・高生 800(600)円、中学生以下無料
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/www.operacity.jp/ag/exh241/

Text:Akane Naniwa

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