写真家・鷹野隆大の大規模個展@国立国際美術館(大阪) | Numero TOKYO
Art / Post

写真家・鷹野隆大の大規模個展@国立国際美術館(大阪)

木村伊兵衛写真賞受賞の写真家、鷹野隆大の美術館では初となる個展が、大阪・中之島の国立国際美術館にて開催中だ。1999年の作品から最新作まで、写真を通して作家の変遷をたどる。9月23日(木・祝)まで。

『赤い革のコートを着ている』2002 年 ©Ryudai Takano, Courtesy of Yumiko Chiba Associates
『赤い革のコートを着ている』2002 年 ©Ryudai Takano, Courtesy of Yumiko Chiba Associates
ジェンダーやセクシャリティをテーマとした写真作品を発表し、注目を集めた鷹野隆大。なかでも人間の性にまつわる、二項対立の間にある曖昧なものの可視化を試みた写真集『IN MY ROOM』(2005年刊行)は、木村伊兵衛写真賞を受賞。その一方で、1998年からは毎日欠かさず写真を撮るプロジェクト「毎日写真」を実践してきた。さまざまな実験的撮影を試み、制度化された眼差しや、写真という媒体の特性とその限界について、考察を重ねている写真家だ。
『2018.03.03.D.#02』2018 年 ©Ryudai Takano, Courtesy of Yumiko Chiba Associates
『2018.03.03.D.#02』2018 年 ©Ryudai Takano, Courtesy of Yumiko Chiba Associates
『2011.03.11_T』2011 年 ©Ryudai Takano, Courtesy of Yumiko Chiba Associates
『2011.03.11_T』2011 年 ©Ryudai Takano, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

本展では「毎日写真」を主軸に、ジェンダー・セクシャリティを扱った作品や、日本特有の無秩序な街並を写した「カスババ」シリーズや、定点観測的に撮影した「東京タワー」シリーズ、東日本大震災を契機に、近年注力している「影」をテーマにした作品など、約130点を時系列で紹介。変遷をたどりながら、鷹野の作品の全貌に迫るという。自分の影をスマホで撮影し、作品を実体験できるコーナーも必見だ。
美術館での大規模な個展は今回が初。他館への巡回はない、今回だけの展示にぜひ注目を!

『2013.03.02.M.#e08』2013 年 ©Ryudai Takano, Courtesy of Yumiko Chiba Associates
『2013.03.02.M.#e08』2013 年 ©Ryudai Takano, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

※写真はすべて無断転載禁止

 ※掲載情報は7月4日時点のものです。
 開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「鷹野隆大 毎日写真 1999―2021」
会期/2021年6月29(火)〜9月23日(木・祝)
会場/国立国際美術館
住所/大阪市北区中之島 4-2-55
料金/一般1,200(1,000)円、大学生 700(600)円 ※高校生以下・18歳未満無料(要証明)など、各種割引あり
時間/10:00〜17:00、金曜・土曜は 20:00 まで ※入場は閉館の 30分前まで
休館/月 ※ただし、8月9日(月・休)、9月20日(月・祝)は開館、8月10日(火)は休館
TEL/06-6447-4680(代表)
URL/www.nmao.go.jp/

Text:Akane Naniwa

Magazine

MAY 2024 N°176

2024.3.28 発売

Black&White

白と黒

オンライン書店で購入する