都市の未来はネコに学べ!? 建築家・隈研吾の大規模展
建築家・隈研吾による大規模展が、高知、長崎を経てついに東京へ巡回。東京・竹橋の東京国立近代美術館にて、2021年9月26日(日) まで開催される。
新型コロナウイルス感染拡大を受けて延期されていた、建築家・隈研吾の大規模な個展「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」の東京展がついに開催を迎えた。 本展では、「人間に優しい建築」を「人が集まる場所」と捉え、そこに「新しい公共性」が生まれることに注目し、これまでに隈が手がけた建築作品の中から公共性が高い68件を自ら選んで紹介。それらは、隈が独自に導き出した方法論によって分類され、建築模型や写真、モックアップ(部分の原寸模型)などを用いて解説される。
本展の見どころの一つは、ネコの視点から都市を見直すリサーチプロジェクト「東京計画2020(ニャンニャン)ネコちゃん建築の5656(ゴロゴロ)原則」だ。これは、“世界のタンゲ”こと建築家の丹下健三が1961年に発表した、東京湾に海上都市をつくる伝説的な計画案「東京計画1960」への応答として考えられたもの。人工都市を俯瞰で見下ろす丹下の案に対して、隈はネコの視点から都市を見上げる提案となっている。
日本を代表するデザイン・イノベーション・ファームTakram(タクラム)との協働により実現したこのプロジェクトでは、ネコへの“インタビュー”や街でのフィールドワーク、GPS測定によって導き出した原則を、3DCGやプロジェクションマッピングを用いて展示。ハコ(=建物)にとらわれず、都市の公共空間で自由に生きるネコに「東京の今」を見ることができる。
なお、本展における章や展示物の解説はすべて隈自身によるものだ。
コロナ禍における新たな公共性や未来の都市のあり方を提案する、注目の個展。ぜひ、お見逃しなく。
※掲載情報は6月25日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則
会期/2021年6月18日(金)〜9月26日(日)
会場/東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
住所/東京都千代田区北の丸公園3-1
料金/一般 1300円、大学生 800円、高校生以下および18歳未満 無料
時間/10:00〜17:00(日・火〜木曜日)、10:00〜21:00(金・土曜日)
休館/月曜日(但し、7月26日、8月2日・9日・30日、9月20日は開館)、8月10日(火)、9月21日(火)
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/kumakengo2020.jp/
Text : Manami Abe