森村泰昌らの展示が「ARTLOGUE VR」にて公開
美術館の展覧会をオンラインで鑑賞できる、新たな3DVRのプラットフォーム「ARTLOGUE VR」が誕生。記念すべき第1弾として、モリムラ@ミュージアム(大阪)の「北加賀屋の美術館によってマスクをつけられたモナリザ、さえも」と、十和田市現代美術館(青森)内の常設作品を期間限定で公開中。
名画の登場人物や偉人などに扮したセルフポートレイト作品で知られる現代アーティストの森村泰昌。2018年、大阪・北加賀屋にて開館した個人美術館モリムラ@ミュージアムにて、昨年末に開催された展覧会「北加賀屋の美術館によってマスクをつけられたモナリザ、さえも」を森村本人による作品解説動画を交えて紹介する。
一方の十和田市現代美術館は、草間彌生、奈良美智ら国内外33組の現代アーティストによる大型作品を配したダイナミックな常設展示で人気の美術館。こちらも館内のオンラインビューイングに加えて、館長の鷲田めるろや学芸員らによる常設作品の解説動画を併せて配信。
さらに、豪華ゲストを招いてのトークやシンポジウムのほか、美術館内のヴァーチャルツアーを楽しめるギャラリートークなどのオンラインイベントも配信予定。詳しくは公式サイトをチェック。
今回、同プラットフォームをリリースした「ARTLOGUE(アートローグ)」は、これまでに森美術館(東京)、東京国立近代美術館、弘前れんが倉庫美術館(青森)などの展覧会を先んじて3DVRにて制作・公開してきた。
長期化するコロナの影響のもと、新たな付加価値を備え誕生した「ARTLOGUE VR」は、文化庁の文化芸術収益力強化事業として「美術館展覧会の3DVRコンテンツ 有料化による収益力強化事業」の一環で開発。「まるで美術館にいるかのような展示空間を楽しめる美術鑑賞」をテーマに、アートと人々の接点を広げていくことを目指している。
同時に、美術館の展示アーカイブ機能としても注目され、森村泰昌も「この3DVRアーカイブは、本展に来たいと思っても、さまざまな事情で来れなかった人もまるで実際の展示空間にいるかのように鑑賞ができます。また、後世の研究者には、森村がこの時代に何を感じ、応答したのかを知る上で有益な資料にもなるのではと可能性を感じています。」と関心を寄せている。
今後はさらに、多言語対応の3DVR配信を前提とした展覧会を企画し、日本のアートを世界に発信していくという「ARTLOGUE VR」。心豊かな美術鑑賞をオンラインでもぜひ体験してみよう!
※掲載情報は1月26日時点のものです。
最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「ARTLOGUE VR」 期間限定展示公開
会期/2021年1月21日(木)〜2月21日(日)
展覧会/十和田市現代美術館「美術館内の常設作品」
モリムラ@ミュージアム「北加賀屋の美術館によってマスクをつけられたモナリザ、さえも 」
料金/各¥200(48時間視聴可能)
URL/artlogue-vr.com
Text : Akiko Kinoshita