女性アーティスト5組が問う “境界” @資生堂ギャラリー | Numero TOKYO
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女性アーティスト5組が問う “境界” @資生堂ギャラリー

東京・銀座の資生堂ギャラリーで、女性アーティスト5組による展覧会が開催中。2021年4月18日(日)まで。

アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ『Remodeling Shiseido Gallery edition』(2020) ©Anneke Hymmen & Kumi Hiroi
アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ『Remodeling Shiseido Gallery edition』(2020) ©Anneke Hymmen & Kumi Hiroi
1919年の創設以来、女性アーティストを中心とした支援や紹介を積極的に行ってきた資生堂ギャラリーで、写真表現を軸に活動する女性アーティスト5組による展覧会が開催されている。今、まさに移り変わろうとするこの時代に、誰もが向き合っている「境界」をテーマにした作品によって、鑑賞者の視点に問いを投げかける。

潮田 登久子『本の景色/BIBLIOTHECA』(2008) ©︎Tokuko Ushioda, Courtesy of PGI
潮田 登久子『本の景色/BIBLIOTHECA』(2008) ©︎Tokuko Ushioda, Courtesy of PGI

参加アーティストは、人々が広告から受け取る女性像や消費、ファッションへの固定観念に対して、写真と文章を通じて多様な視点を投げかけるアネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ。さまざまな家庭の冷蔵庫を記録した「冷蔵庫/ICE BOX」などが代表作として知られる、写真家の潮田登久子(うしおだ・とくこ)。そして、自身の身体をかたどった手縫いのオブジェを身につけたセルフポートレイトを起点に制作活動を展開する片山真理(かたやま・まり)。

片山 真理『shadow puppet #014』(2016) ©Mari Katayama.
片山 真理『shadow puppet #014』(2016) ©Mari Katayama.

さらに、写真撮影時の過剰な露光によって生み出される大胆なコントラストで画面を構成する、春木麻衣子(はるき・まいこ)。身体の“表象”をベースに、人種や国籍、人と植物や機械、有機物と無機物など「かつて当たり前であったはず」の境界を再編する作品を制作する細倉真弓(ほそくら・まゆみ)による5組となる。

作風のみならず、キャリアもライフステージもさまざまな彼女たちの名前に加えて、タイトルには「そして、あなたの視点」というキーワードが含まれている。アーティストの視点を通して見える世界が生むのは共感か。あるいは、新たな境界か――。
正解のない問いを鑑賞者へ投げかけ、気づきや考えを深める機会を与えてくれる本展。お見逃しなく。

※掲載情報は1月19日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田 登久子、片山 真理、春木 麻衣子、細倉 真弓、そして、あなたの視点
会期/2021年1月16日(土)〜4月18日(日)
会場/資生堂ギャラリー
住所/東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル B1
料金/無料
時間/11:00~19:00(月〜土曜日)、11:00~18:00(日曜日、祝祭日)
休館/毎週月曜日(祝祭日にあたる場合も休館)
TEL/03-3572-3901
URL/gallery.shiseido.com/

Text : Manami Abe

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