「何を着るか、ではなくどう着るか」シトウレイのスタイルブックが発売
ストリートフォトグラファー・ジャーナリストとして、世界中を駆け回り、リアルなファッションを切り取ってきたシトウレイ。2020年10月20日、ニューヨークの出版社「Rizzoli」より初のスタイルブック『Style on the Street : From Tokyo and Beyond』が発売される。
雑誌『FRUiTS』でストリートスナップを手がけ、その後、ストリートフォトグラファー、ジャーナリストとして、世界中で撮影を続けているシトウレイ。 日々、ストリートファッションに向き合う中で、彼女は「ファッションは一つの哲学である」と感じたという。ファッションには正解はなく、ジャッジの基準はあくまでも「自分が好きか、そうではないか」。 そして、自分の着る服を決めるのは「自分だ」とイニシアチブを持った瞬間から、生き方はポジティブに変るはず、という。自分自身を見つめ、自分のために選んだ服を身にまとうということは、自己肯定感にもつながっていく。 この『Style on the Street : From Tokyo and Beyond』では、東京スタイルと、世界中で撮影されたポートレートによるスタイリングティップス、そしてインタヴューの章で構成されている。
スタイリングティップスでは、「MITATE(見立て)」「HAZUSHI/ZURASHI(はずし/ずらし)」「ZEN MINIMALISM(禅的ミニマリズム)」など、日本の文化の切り口からのカテゴリーもあり、中でも「ROSYUTU(露出)」については、日本と世界での捉え方の違いから解説され、(女子の露出問題についても、どんなスタンスでいくのか、選択肢まで設定してくれている!)興味深い。
さらに「白Tシャツ」や「ストライプ」「デニム」「ヴィンテージ」など、パターンやテクスチャー、色など、様々な要素に分類して紹介することで、すぐに私たちが取り入れることができるヒント集にもなっている。
インタビューには、sacaiの阿部千登勢や、小木“ポギー”基史、そして、ファッションブログ「The Sartorialist」の創設者でありファッションスナップの巨匠スコット・シューマンが登場。
阿部千登勢は、クリエイションについて、そして世界と日本の差異について触れ、小木“ポギー”基史は「ストリートファッション」についてあらためて語っている。そして、スコット・シューマンのインタビューでは、被写体を選ぶこと、ストリートスナップを撮り続けることについて、深く踏み込んでいく。
この本に収録された200点以上のポートレートを見ていると、10年以上にわたり、人々のファッションを追い続けてきたシトウレイの美学と価値観が浮き上がってくる。「美しい写真を撮ることや、クールな瞬間を切り取るのが目的ではなくて、リアルなファッションの『そのまま』を切り取ることをスタンスとし、ポリシーとしています」と語る彼女が切り取った写真は、その瞬間ごとに、彼女が見つけた”真実”でもある。
この本に登場する人たち全てが素敵に思えるのはなぜ? ページをめくるだけで心地よいのはなぜだろう・・。そして、おしゃれしたい気持ちになってしまうのは、心が弾んでるってことなのかもしれない。
写真を楽しみ、添えられた文章を読み込みながらさらにもう一周。なんども繰り返し愛でたいスタイルブック、ぜひお手元に!
Style on the Street : From Tokyo and Beyond
著者/シトウレイ
協力/スコット・シューマン、阿部千登勢(sacai)、小木“ポギー”基史
発売日/2020年10月20日予定
詳細/ハードカバー、全272ページ(200ページカラー写真)
価格/オープン価格
URL/www.rizzoliusa.com
© Style on the Street: From Tokyo and Beyond by Rei Shito, Rizzoli New York, 220. Photographs ©Rei Shito
※出版を記念して蔦屋書店によるオンライントークショーも開催!
第1回 シトウレイ with 奈良裕也(SHIMA HARAJUKU アートディレクター)
日時/2020年10月30日(金) 20:00〜21:30
申し込み/http://ptix.at/QnhqwE
価格/¥1,320(参加券のみ) ¥5,500(書籍込み)
第2回 シトウレイ with 中島敏子(編集者)
日時/2020年10月31日(土) 20:00〜21:30
申し込み/http://ptix.at/JnguxD
価格/¥1,320(参加券のみ) ¥5,500(書籍込み)
Text:Hiromi Mikuni