イタリア屈指のワイン「オルネッライア」が、トマス・サラセーノ作の限定ボトルをオークションに!
イタリアの赤ワイン「オルネッライア」といえば、2001年にアメリカの権威あるワイン誌「ワイン・スペクテーター」で世界第一位に選ばれたこともある、世界中で愛されているワインだ。 そんなオルネッライアがアルゼンチンの現代美術家、トマス・サラセーノを起用し、アーティスト作の限定ボトルをサザビーズで慈善オークションにかけることが発表された。
オークションに出品されるのは、オルネッライア ヴェンデミア・ダルディスタ2017『ソラーレ』の記念ボトル。「ヴェンデミア・ダルディスタ」とは、英語でいう「アーティスト・ハーヴェスト」。気鋭のアーティストとコラボレーションするプロジェクトだ。
トマス・サラセーノはヴェネチア・ビエンナーレなどの国際展で高い評価を受け、2019年にはブルガリの依頼でミラノデザインウィーク2019でインスタレーションを制作するなど、環境破壊が進む地球において、人間と自然との新たな共生をテーマに精力的に活動するアーティスト。日本では十和田市現代美術館のコレクションや銀座メゾンエルメスでの展示(2012)などで作品を目にしたことがある人もいるだろう。
そんなサラセーノが環境に負担をかけない自然農法を推進するオルネッライアのボトル上で表現したのは、「太陽が大勢の人間と共生する世界」だ。太陽をモチーフとしたラベルは温度を感知し、ボトルを手で持つと体温に反応して色が変わり「人間と宇宙」を体感することができるという。また、サラセーノはオルネッライアの敷地内に雲の形をしたガラスの球体でできたインスタレーションを設置予定。太陽の熱エネルギーにより空中に浮遊する幻想的な都市を表現するのだという。このコンセプトを取り入れた彫刻作品「PNEUMA 4.21X105」が、特別ボトル「サルマナザール・ボトル」の上部に輝く。
アートラベルといえば、有名なのはボルドーの格付け第一級“五大シャトー”の一角であるシャトー・ムートン・ロートシルト。パブロ・ピカソにマルク・シャガール、アンディ・ウォーホールに近年ではゲルハルト・リヒター……とアート史に輝く巨星たちがラベルに作品を提供しており、オークションでも大人気となっている。
欧米ではワイナリーの敷地内にアート作品が展示されていたりすることもままある。ときにワインはその製造工程や複雑微妙な味わいがアートにたとえられることからもわかるように、ワインとアートには高い親和性があるのだ。
今回のオルネッライア「ヴェンデミア・ダルディスタ2017」のオークションは9月1日(火)から9日(水)まで、サザビーズの公式ウェブサイトにて、オンラインワークショップで販売。収益金は視覚障害者でも全身の感覚で芸術を鑑賞できるというプロジェクト「マインズ・アイ」に全額寄贈されるという。
アートとワインの最高峰のコラボ。その世界、覗いてみては?