世界を挑発し続ける覆面アーティスト「バンクシー展 天才か反逆者か」日本上陸 | Numero TOKYO
Art / Feature

世界を挑発し続ける覆面アーティスト「バンクシー展 天才か反逆者か」日本上陸

『GIRL WITH BALLOON』
『GIRL WITH BALLOON』

神出鬼没、風刺あふれる作風で世界を挑発する謎のアーティスト、バンクシー。その幻影を追って人々が右往左往する狂乱のなか、コレクターの所有作で織りなす過去最大級の展覧会が上陸。未曽有の体験が突き付ける、私たち自身の姿とは。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年5月号掲載)

『LOVE IS IN THE AIR』
『LOVE IS IN THE AIR』
素顔や正体を明かさないまま、20年近くにわたって世界中の路上に作品を残してきたバンクシー。社会問題に対する鋭いメッセージが人気を呼び、破壊行為であるはずの落書き芸術=グラフィティ・アートを一目見ようと人々が殺到、販売目的の争奪戦も勃発。その状況を揶揄するかのごとく、18年10月にはサザビーズ・オークションで落札された作品をシュレッダーで細切れに。また、19年1月には東京・日の出ふ頭で真贋不明の作品が発見され、小池百合子都知事が笑顔で会見。その様子がテレビやSNSで拡散され、彼の名は日本でも一般層の知るところとなった。

海外での展示風景より。
海外での展示風景より。

そして今春。コレクターの所有作を中心に70点以上が集結し、世界5都市で100万人以上の動員を達成した展覧会が、横浜へと上陸を果たす。ステンシルの代表作から、廃虚と風刺まみれのテーマパーク『ディズマランド』の映像インスタレーション、パレスチナの分離壁に面した“世界一眺めの悪いホテル”の再現空間まで。

『THE WALLED OFF HOTEL』
『THE WALLED OFF HOTEL』

果たして、そこに浮かび上がるものとは何だろうか。他人の声を妄信するだけでは、何も見えてこない。必要なのは自ら考え、この世界を直視する勇気だ。バンクシー最大の“作品”──それは、彼の幻影を追い求める私たち自身の姿なのかもしれない。

海外での展示風景より。
海外での展示風景より。

※4月4日(土)時点で休館中。再開については公式サイトを参照してください。

「バンクシー展 天才か反逆者か」

モスクワ、香港などでの開催に続き、横浜の複合型体験エンターテインメントビルにコレクター所有のオリジナル作品や版画、立体オブジェクトなどが過去最大級の規模で集結。秋以降、大阪をはじめ地方にも巡回予定。

会期/開催中〜9月27日(日)
場所/アソビル
住所/神奈川県横浜市西区高島2-14-9 アソビル2F
https://banksyexhibition.jp/

Edit & Text : Keita Fukasawa

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