女優、上白石萌音が見た「ルノワール展」@横浜美術館 | Numero TOKYO
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女優、上白石萌音が見た「ルノワール展」@横浜美術館

ルノワールをはじめ、マティス、ピカソ、モディリアーニらによる名作がそろったヨーロッパ屈指の絵画コレクションを誇るオランジュリー美術館。その作品がまとまって来日するのは21年ぶり! 女優、上白石萌音が横浜美術館で開催中の貴重な展覧会の見どころを語る。(「ヌメロ・トウキョウ」2019年12月号掲載)

「甘い部屋」

どうしても行ってみたいと、ずっと思っている場所がある。印象派絵画の聖地と謳われるオランジュリー美術館だ。なんと今そこから、69点の名画たちが、21年ぶりに日本にやって来ている。 まずこの69という数が、絶妙だった。厳選された、静かな熱を放つ絵画たち、そしてその向こうにいる画家たちと、じっくり時間をかけて向き合うことができる。 セザンヌ、モネ、シスレー……パリに恋した画家たちの作品が並んでいる。作者ごとに分けられた展示室を歩いていると、まるで各人のアトリエを訪ねているかのような感覚になり、胸が躍った。

その中に、甘い空気が漂う部屋があった。ひと部屋丸ごと、ルノワールでいっぱいの部屋だ。四方の壁に並ぶ、柔らかく豊かな筆致の絵画たち。とりわけ《ピアノを弾く少女たち》を前にした時は、全身に幸せが流れるのを感じた。退室時、思わず頰が緩み、足取りが優雅になってしまったのは、わたしだけではないはずだ。

都会の喧騒の中、温かな静寂に包まれる場所。日常のあれこれを忘れたり、見失っていた何かを思い出したり、見たことのない風景や会ったことのない誰かの瞳に共感したりできる場所。美術館に行くといつも、心の余白が広がるような気がする。そして出合った絵画の彩りや香りは、心に刻まれ続ける。

ぜひ、横浜の地で、パリの風を感じていただきたい。そのあとは、異国情緒あふれる港町を、パリジェンヌ気分で散策してみてはいかがだろうか。

「横浜美術館開館30周年記念
オランジュリー美術館コレクション
ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」

会場/横浜美術館
会期/開催中〜2020年1月13日(月・祝)まで
住所/神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間/10:00~18:00 ※会期中の金曜・土曜は20:00まで開館(ただし2020年1月10日[金]~12日[日]は21:00まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日/木曜日(2019年12月26日[木]は開館)、2019年12月28日(土)~ 2020年1月2日(木)
TEL/03-5777-8600(ハローダイヤル)

高校生以下の観覧が無料に

日時/2019年12月21日(土)10:00~20:00、22日(日)~ 25日(水) 10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
対象/高校生以下(中学生・高校生は要生徒手帳提示)

ほかにも図録購入者にポスター(非売品)のプレゼントやトークイベント、「お正月お年玉企画」も。詳しくは
artexhibition.jp/orangerie2019/

Text:Mone Kamishiraishi Edit:Sayaka Ito

Profile

上白石 萌音Mone Kamishiraishi 女優。1998年生まれ、鹿児島県出身。 2011年に芸能界デビュー。 映画『舞妓はレディ』『スタートアップ・ガールズ』などに主演。『君の名は。』ではヒロインの声を担当。歌手としても活躍。同展の音声ガイドナビゲーターを務める。

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