デシグアル ストア 原宿がリニューアルオープン。とんだ林蘭デザインのファサードにも注目! | Numero TOKYO
Fashion / Post

デシグアル ストア 原宿がリニューアルオープン。とんだ林蘭デザインのファサードにも注目!

バルセロナ発のファッションブランド、デシグアル(Desigual)が、原宿のフラッグシップショップをリニューアル。デシグアル ストア 原宿は、白を基調とした店内で、植物などが配された開放的でクリーンな印象。バーカウンターやカスタマイゼーションコーナーも設けられており、3階は“エクスペリエンスフロア”となっている。さらにリニューアルに際し、最も大きなポイントは、店舗前でまず飛び込んでくる、色鮮やかでポップなデザインのファサード。3階建ての壁面を大胆に使ったデザインを手がけたのはアーティストのとんだ林蘭。独創的なコラージュを得意とする彼女にファサードデザインの制作秘話などを聞いた。

──ファサードを手がけることが決まった時のお気持ちは?
「ここまで大きいスケール感の作品は初めてのことだったんですが、不安に思うより、やってみたいという気持ちが強かったですね」

──ローカルアーティストとのつながりを強固にしていきたいというデシグアルとのコラボレーションはいかがでしたか?
「いくつか案を出した中で、一番私らしいデザインに仕上がったものを気に入ってくれました。『もっと自分らしさを出して』って後押ししてくれたというか。アーティストに対するリスペクト、愛の強さを感じました。もともとファッションとアートって親和性の高いものだとは思いますが、デシグアルのアートへの思いや理解する姿勢は圧倒的。私のクリエイティブをとても楽しみにしてくれたり、サポートしてくれたりする熱量には驚きました。ブランドとしても、人と違うことを恐れず、自由でいることを尊重したスタイルを打ち出していますよね」


──ファサードデザインのインスピレーションやポイントは?

「バルセロナに行き、本社のスタッフの方々とコミュニケーションを取らせてもらったんですが、皆さん本当にハッピーで、明るいエネルギーを感じました。街並みもすごく美しくて、明るい太陽が降り注ぎ、街とリゾートが一緒にあるというリラックスした場所。そういうパワーを表現するために、黄色など派手なカラー使いを意識しました。それから自分にとって代表的なパーツと思っているネジを組み合わせているんです」

──とんだ林さんにとって、ネジとはどんな意味が?

「日常とかけ離れすぎない非日常、というものを表現したいんですよね。ネジって誰もが目にしたことのあるもの。そういうものを使って作品を作るのが好きなんです。それにネジのヴィジュアルは単純に好きですね。私にとってネジってどんなものにも合うパーツなんです。デシグアルとのコラボレーションについて知らなかった友達も、ショップの前を通った時にネジを見て私の作品とわかってくれるみたいです(笑)」


──店舗内ではとんだ林さんの最新のエキシビション、Ran’s Roomも開催中ですね。

「今回は新作だけでなく、アーカイブを含めた展示をしています。実は過去の作品を展示することってこれまでは少し抵抗があったんですが、今回の企画に関しては、過去のものを含めて色々な作品を楽しんでもらえたらと思ったんです。それぞれの作品に向き合っていただけるよう、ボックスを3つ作って空間を区切るなど、実験的な仕掛けも企画しました。ぜひ遊びにきてもらえたら嬉しいです」

原宿店のみでしか手に入らない、数量限定のコラボレーションアイテムは、とんだ林がこのコラボのために新たに制作したアートワークが施される。デシグアルのアーカイブの広告写真からコラージュしたというものだ。ジャパン&APACカントリーマネジャーのバラッシュ・クリザニックは、とんだ林と一緒に取り組んだ仕事に対し「独自の世界観を持つ彼女が、最初にコラボレートする日本人アーティストで良かった。これからもデシグアルの店舗は、アーティストにとってのプラットフォーム、キャンバスとして、さまざまなアートの発表の場としても機能を果たしていきたい。作品の展示はもちろん、アーティストのアイデア次第でいかなる表現もできると考えている」と語る。原宿の地から、デシグアルのハッピーでパワフルな発信に今後も注目だ。

Desigual Store Harajuku(デシグアル ストア 原宿)
住所/東京都渋谷区神宮前6-10-8
営業時間/11:00〜21:00 (不定休)
Tel/03-5467-2680

Interview & Text:Etsuko Soeda

Profile

とんだ林蘭Tondabayashi Ran アーティスト。コラージュ、イラスト、ペインティングなどさまざまな手法で作品を制作。あいみょん、木村カエラなどのアルバムやグッズのアートワークで注目されるほか、ファッションブランドとのコラボレーションも多数手がける。2019年、自身がプロデュースするライフスタイルブランド「MAD FRUITS」が本格始動。tondabayashiran.com instagram: @tondabayashiran

Magazine

JANUARY / FEBRUARY 2025 N°183

2024.11.28 発売

Future Vision

25年未来予報

オンライン書店で購入する