野田秀樹がQueenを遊ぶ NODA・MAPの新作『Q』
日本で、NODA・MAPが新作を上演する。しかも、日本人が愛してやまない「Queen(クイーン)」の世界を演劇化するというから恐ろしくハイレベルなチャレンジだ。日本には熱狂的なクイーンのファンがいて、熱狂的な野田ファンがいる。
野田秀樹は言わずと知れた世界に名だたる演出家のひとりだ。これまでも、歌舞伎やシェイクスピア、ロシア文学など高度なおもちゃで遊ぶように芝居を作り上げている。人間の美しさを役者に求めながら、同時に人間の愚かさと傲慢さを笑う。観客もまた、野田が仕掛けてくる高度な言葉遊びに翻弄されながら、その渦の中に身を投じていくことになる。 今回、野田に与えられたおもちゃ「クイーン」は、言わずと知れたイギリスの伝説的ロックバンドである。彼らはロックの世界の住人でありながら、オペラを取り入れた曲を作るなど、時には眉をひそめられながら、常識をことごとく覆してきた。大ヒットが記憶に新しい映画『ボヘミアン・ラプソディ』のタイトル曲もアカペラ、オペラ、ハードロックなど、さまざまな曲想が盛り込まれ、あたかも一つの芝居を見せられているような気になる。製作の初期段階では15分を超える長さだったというから、ちょっとした物語が出来上がっていたことは想像に難くない。この曲に限らずクイーンの音楽は、最初の音は何の手掛かりにもならない。曲のラストでどこに連れて行かれるかは、まさに女王様のお気に召すまま、演劇そのものである。
そんなクイーンの名盤『オペラ座の夜』(「ボヘミアン・ラプソディ」も収録されている)を、演劇の神様・シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をベースにした舞台で演劇化していくという。イギリスの演劇の神の作品に、イギリスの伝説的なバンドを当てて見せる。挑戦することすら二の足を踏みそうだが、そこを無邪気に手に取ってしまうのが野田秀樹である。新しいおもちゃを野田がどう遊んでいくのか。我々は幕が開くのをただ、なすすべもなく待つよりない。
NODA・MAP第23回公演 『Q』:A Night At The Kabuki
Inspired by A Night At The Opera
作・演出/野田秀樹 音楽/QUEEN
出演/松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳
橋本さとし、小松和重、伊勢佳世、羽野晶紀、野田秀樹、竹中直人
<東京公演 東京芸術劇場プレイハウス>
日程/2019年10月8日(火)〜10月15日(火)、2019年11月9日(土)〜12月11日(水)
料金/S席12000円、A席8500円、サイドシート5700円(25歳以下はサイドシート3000円 入場時要身分証) 全席指定・税込
問/NODA・MAP tel:03-6802-6681
<大阪公演 新歌舞伎座>
日程/2019年10月19日(土)〜10月27日(日)
料金/S席12000円、A席8000円、サイドシート5700円(25歳以下はサイドシート3000円 入場時要身分証) 全席指定・税込
問/大阪公演問い合わせ: NODA・MAP tel:03-6802-6681 キョードーインフォメーション tel:0570-200-888
<北九州公演 北九州芸術劇場 大ホール>
日程/2019年10月31日(木)〜11月4日(月・休)
料金/S席12000円、A席8500円、サイドシート5700円(25歳以下はサイドシート3000円 入場時要身分証) 全席指定・税込
問/北九州芸術劇場 tel:093-562-2655
2019年9月7日(土) チケット全国一斉発売
全公演当日券あり
www.nodamap.com/q/