Art / Post
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を目前に、東京のあり方が問われる昨今。なかでも美術館は、その都市の文化的な見識を表す象徴的な施設だ。特に現代アートは、時代の先を見据えて警鐘を鳴らす“炭坑のカナリア”にも喩えられる。東京の現代美術館には、よりオープンに人々とつながり、そこで醸成される気運を発信していく役割が求められている。
国内最大規模の展示面積を持つ美術館として1995年に開館した東京都現代美術館(通称:MOT)が、大規模改修工事のために休館してからはや3年。天井の耐震化やエレベーターの増設、館内外のサインの刷新、美術図書室の改装などが進められ、3月29日に待望の再オープンを迎えた。
東京都現代美術館がリニューアル・オープン
東京が誇る現代アートの発信拠点、東京都現代美術館。約3年間の休館を経て、生まれ変わったその姿とは? 全館挙げてのコレクション紹介展示から新店舗まで。東京の顔となる“私たちの美術館”が今、再始動を果たす。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2019年5月号掲載)
企画展の出展作品より。横尾忠則『腰巻お仙』(劇団状況劇場)1966年
企画展の出展作品より。森村泰昌『肖像(少年1、2、3)』1988年
コレクション展より。中園孔二『無題』 2012年
こけら落としは、同館コレクションを核として過去100年間における日本のアートの流れを再考する企画展と、休館中の新収蔵作品を中心とするコレクション展の同時開催。新店舗としてレストラン「100本のスプーン」、カフェ&ラウンジ「二階のサンドイッチ」が開店し、パブリックスペースも整備される。
カフェ&ラウンジ「二階のサンドイッチ」イメージ
ついに再始動を果たす“東京の現代美術館”。東京の街に誇り(シビックプライド)を抱く人々へ、生まれ変わった“私たちの美術館”をともに盛り立てていこう。
外観予想図
1年間限定で使用されるリニューアル・オープン記念ロゴ。通常ロゴと同じく仲條正義のデザインで、活動や親しみをプラスする意図を込めた。
東京都現代美術館 リニューアル・オープン記念展:
企画展「百年の編み手たち ―流動する日本の近現代美術―」 コレクション展「MOTコレクション ただいま / はじめまして」
会期/2019年3月29日(金)〜6月16日(日)
会場/東京都現代美術館
住所/東京都江東区三好4-1-1
TEL/03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL/www.mot-art-museum.jp
Edit & Text : Keita Fukasawa