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志賀理江子が撮る「人間の春」とは?@東京都写真美術館

〈ヒューマン・スプリング〉より『人間の春・彼には見える』 2019年 作家蔵 ©Lieko Shiga
〈ヒューマン・スプリング〉より『人間の春・彼には見える』 2019年 作家蔵 ©Lieko Shiga

国際的に注目を集める写真家・志賀理江子の新作個展「ヒュ-マン・スプリング」が東京・恵比寿にある東京都写真美術館にて開催中。構想から4年の歳月を経て公開される、新作写真インスタレーションはこの春必見だ。

国内のみならず世界中で注目を集める写真家、志賀理江子。現代を生きる私たちの心の奥に潜む衝動や本能に焦点をあて、日本各地のさまざまな年代、職業の人々とともに協働し制作した新作が東京都写真美術館にて公開中だ。

〈ヒュ-マン・スプリング〉より『人間の春・昨日と変わらない今日 今日と変わらない明日』 2019年 作家蔵 ©Lieko Shiga
〈ヒュ-マン・スプリング〉より『人間の春・昨日と変わらない今日 今日と変わらない明日』 2019年 作家蔵 ©Lieko Shiga

2008年より宮城県に移住し、東北で暮らすことをきっかけに、変わりゆく季節から溢れ出る強烈な生のエネルギーが同時に死を抱え込んでいることに共感した、という志賀。その後人間が絶えず多様なイメージを求め続ける理由の源をそこに見出し、深く追求するようになったそうだ。さらに3.11という生死をわける壮絶な体験を目の当たりにした経験から、「人間とは何なのか」という大きなテーマと向き合い、「春」という季節を手がかりに精神医学に関する書物や関係者との対話から考察を深めている。

〈ヒュ-マン・スプリング〉より『人間の春・太陽の下で』2019年 作家蔵 ©Lieko Shiga
〈ヒュ-マン・スプリング〉より『人間の春・太陽の下で』2019年 作家蔵 ©Lieko Shiga

本展では、等身大を超えるスケールの写真インスタレーションで構成。「ヒューマン・スプリング」と名付けられたシリーズから、人間とは、人間にとっての春とは何なのかを鑑賞者に示し、問いかける。

精神の極限を見つめ、現代の社会と個人、自然と人類の関わりを編み直す写真家のまなざしから、生命にそなわる未来の力を感じることができるだろう。構想から4年の歳月を経て、満を持して公開となる本展。ぜひお見逃しなく。

「志賀理江子 ヒュ-マン・スプリング/ Shiga Lieko: Human Spring」
会期/2019年3月5日(火)~5月6日(月・振休)
会場/東京都写真美術館 2階展示室
住所/東京都目黒区三田1-13-3恵比寿ガ-デンプレイス内
時間/10:00〜18:00(木・金は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館/月曜※ただし4月29日(月・祝)および5月6日(月・振休)は開館
料金/一般700円、学生600円、中高生・65歳以上500円
TEL/03-3280-0099
URL/www.topmuseum.jp

Text:Akane Naniwa

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