「ソフィ カル─限局性激痛」原美術館コレクションより
原美術館にて20年前に開催された、ソフィ・カルの伝説的な個展「ソフィ カル─限局性激痛」がフルスケールで再現。2019年3月28日(木)まで展示されている。(「ヌメロ・トウキョウ」2019年3月号掲載)
![Sophie Calle『Exquisite Pain, 1984-2003』(© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018)](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/02/5367b45fcf36b60c4ae26f260799759c.jpg)
![Sophie Calle『Exquisite Pain, 1984-2003』(© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018)](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/02/1a0ebc6a2fe62955f3a95e9e2c8320f9.jpg)
![Sophie Calle『Exquisite Pain, 1984-2003』(© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018)](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/02/91d7c36ac35a8932569ba846198ca8bc.jpg)
それから十数年の時を経て、彼女は封印していた体験を掘り起こし、傷心の地・日本にて、その作品を世界で初めて公開した。タイトルの「限局性激痛」は、身体の限られた部位を襲う鋭い痛みを表す医学用語。悲劇へと至る92日間の記録を、日数が刻印された写真や恋人との手紙などで綴った第一部。
![Sophie Calle『Exquisite Pain, 1984-2003』(© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018)](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/02/30fdefd3cccd6bbe98feced2a240579a.jpg)
人々と互いの不幸を共有した日々を、写真と刺繍された言葉で構成した第二部。そして、苦しみの前後をつなぐ起点となったホテルの一室の再現空間まで。99〜2000年に開催された個展の後、原美術館はすべての出品作品をコレクションとして収蔵。今回、その伝説的な展示がフルスケールで再現される。
![「ソフィ カルー限局性激痛」1999-2000年 原美術館での展示風景(© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018)](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/02/cf632829fd313c023b0da6336dbbfdb1.jpg)
自らと交錯する人々の人生をさらけ出し、見る者に虚か実か判然としない心象や、他人の内面に触れる罪悪感を惹起するソフィ・カルの世界。その痛みと再生の物語が、歴史が息づく建築空間に甦(よみがえ)る。
![ソフィ・カル近影(Photo: Jean-Baptiste Mondino)](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/02/44c23b6b15d70994d766716b66bcaf1c.jpeg)
「ソフィ カル─限局性激痛」原美術館コレクションより
会期/開催中〜2019年3月28日(木)
場所/原美術館
住所/東京都品川区北品川4-7-25
TEL/03-3445-0651
URL/www.haramuseum.or.jp
同時期にギャラリー小柳、ペロタン東京の都内2カ所でもソフィ・カルの個展を開催。詳しくは上記サイトを参照のこと。
Edit & Text : Keita Fukasawa