エスパス ルイ•ヴィトン東京でヘスス・ラファエル・ソトの体験型作品が公開!
今は亡きアーティスト、ヘスス・ラファエル・ソト(Jesús Rafael Soto)の作品を体験できる展覧会「JESUS RAFAEL SOTO PENETRABLE BBL BLEU」が、2019年5月12日までの期間、表参道のエスパス ルイ•ヴィトン東京にて開催中。
ヘスス・ラファエル・ソトは、キネティック彫刻や大規模な視覚的インスタレーションで最もよく知られる、ベネズエラ出身のアーティスト。1923年にシウダ・ボリバルで生まれ、アーティストとしての形成期を過ごし、1950年にパリへ渡仏。1975年にはスペインのカラカスにもアトリエを構えたが、最後はパリで生涯に幕を閉じた。
戦後のアバンギャルドモダニズムに傾倒し、抽象芸術界の一員として活動していた彼は、1951年にサロン・デ・レアリテ・ヌーベルに参加したほか、1955年にはマルセル・デュシャン、アレクサンダー・カルダー、ヴィクトル・ヴァザルリらと共にギャルリー・ドゥニーズ・ルネでの「Le Mouvement(運動)」展にも関与。また1960年代後半に発表した作品群により、キネティック・アートを牽引するアーティストとして広く知れ渡るようになった。
すべての作品を通して純粋な抽象性、色彩理論、そして背景と前景との間に働く力を表現してきたソトは、マルティプル(工業的に複数生産される作品)の問題や、視覚的な動きを通して空間を変容させる可能性に関心を向けてきた。1963年の『Ecritures』(筆跡)シリーズにはじまり、1960年代に続いた初期のキネティック・アート作品『Vibracións』(振動)シリーズ、そして1967年からキャリアの終盤まで製作した有名な『Pénétrable』(浸透可能なるもの)シリーズなど、一連の作品からもその特徴が見て取れる。
今回展示されているのは、『Pénétrable』シリーズのひとつで、空間いっぱいに広がるブルーが印象的な『Pénétrable BBL Bleu』。没入型のインスタレーションとして製作され、何百もの細い垂直な棒(PVC素材の医療用ゴム)を空間に吊り下げて作られた集合体から成り、鑑賞者は誘い込まれ、その中を浸透していくというもの。「知覚可能な空間の顕現」とソト自ら形容したように、音(聴覚)を含む様々な知覚的体験に没入できる。
芸術と鑑賞者との関係性を変容させ、また体験する人によって異なる経験を生むソト。ぜひこの機会に、実際に彼の作品を体験して。
JESUS RAFAEL SOTO
PENETRABLE BBL BLEU
SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION
会期/2018年12月7日(金)〜2019年5月12日(日)12:00〜20:00
会場/エスパス ルイ•ヴィトン東京
住所/東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン 表参道店 7階
お問い合わせ/ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854
休館日/ルイ・ヴィトン表参道店に準ずる
入場料/無料
URL/www.espacelouisvuittontokyo.com
Text:Kefa Cheong