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Culture Art

漫画の醍醐味を味わおう! 藤子不二雄Ⓐの奇妙な世界へ

展示風景  ⓒ藤子スタジオ
展示風景 ⓒ藤子スタジオ

2019年1月6日(日)まで東京・六本木ヒルズ展望台 東京シティビューにて、「藤子不二雄Ⓐ展 -Ⓐの変コレクション-」が開催中。『忍者ハットリくん』『怪物くん』『笑ゥせぇるすまん』など多数の代表作を持つ漫画家、藤子不二雄Ⓐの奇妙な世界へ誘う。手塚治虫を父に持つ手塚るみ子がレポート。(「ヌメロ・トウキョウ」2018年1・2月合併号掲載)

天空でドーンを体感せよ!

漫画家の展覧会といえば、貴重な生原稿や原画がずらりと展示され、それをありがたく拝む、舐めるようにして味わう、そういうものが多い。思えば国立近代美術館で手塚治虫の大回顧展が開催されたのがそもそもの始まりだったろう。けれど膨大な情報量を処理しきれず、出口でクタクタになることはないか。感動より疲労感が上回るなんて、漫画は元来そんな思いをするものではないというのに。

藤子Ⓐ展には原画がほとんどない。漫画を重宝がらせることよりも、作品そのものを楽しませることに特化しているからだ。それぞれの作品の特徴的要素を演出的にアトラクション化し、ただひたすら体感させて楽しませる。いわば漫画の立体遊園地なのだ。

夜に行われた内覧会では、いい年をした大人たちが、どこぞの偉い方々が、六本木の夜景の中で喪黒のドーンにはしゃいだ。プロゴルファー猿のフォームを真似てみたり、トキワ荘でまんが道を追体験したり、魔太郎にドッキリさせられたり。次から次へと新しい仕掛けが待っている会場は、漫画のページをめくるときのあのワクワク感が満ちていた。作品を知ろうが知るまいが関係ない。漫画の醍醐味ってこうじゃないかと言わんばかりに。

六本木ヒルズの展望から眺める夜空には、盟友の藤本先生やトキワ荘の仲間が待っている。けれどそこに背を向け、東京タワーの前にすっくと立つⒶ先生。なんてカッコいいのだ。齢84だろうと生きるエネルギーに満ちている。漫画は楽しむもの、人生もまた楽しむもの。白と黒のコントラストにこそ面白さがあるのだと、それこそドーンと教えられる。

「藤子不二雄Ⓐ展 -Ⓐの変コレクション-」

会期/2018年10月19日(金)〜2019年1月6日(日)
会場/六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
住所/東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
開館時間/10:00-22:00(最終入場21:30)
休館日/月曜日(12月24日は開館)
URL/https://tcv-fujiko-a-ten.roppongihills.com
問い合わせ/03-6406-6652 (六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー)

ⓒ藤子スタジオ

Profile

手塚るみ子(Rumiko Tezuka)プランニングプロデューサー。1964年生まれ。手塚治虫の長女。父親の死をきっかけに手塚作品の企画プロデュースを始める。現在は手塚プロダクション取締役でもある。また音楽レーベルMUSICROBITAを主宰。著書に「定本オサムシに伝えて」(立東舎文庫)など。

Text:Rumiko Tezuka Edit:Sayaka Ito

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