岡本太郎が遺した「太陽の塔」の謎に迫る!ドキュメンタリー映画
1970年の大阪万博以来、48年ぶりに内部の一般公開が始まったことでも話題を呼んでいる岡本太郎による「太陽の塔」。11月9日(金)には、初の長編監督作『生きてるだけで、愛』の公開も控える、日本を代表する若手映像ディレクター、関根光才監督が、総勢29名へのインタビューを通じて、芸術家・岡本太郎が「太陽の塔」に込めたメッセージを解き明かす。(「ヌメロ・トウキョウ」2018年11月号掲載)
「芸術は爆発だ!」―鮮烈なる言葉とともに、代表作『太陽の塔』を遺した岡本太郎。果たしてこれは何なのか? 夢の跡地にそそり立つ超オーパーツ文明的遺物の謎を読み解くべく、縄文から現在、はるかな未来へ。驚愕の宇宙体験ドキュメンタリーが、その幕を開ける。
「人類は進歩なんてしていない」と、丹下健三が設計した「お祭り広場」を覆う空中構造物「大屋根」をブチ抜く驚愕の計画を発表。高さ約70メートル、過去・現在・未来を貫く生命のエネルギーを表現するべく、正面には現在の「太陽の顔」、頂部に未来の「黄金の顔」、背面に過去を象徴する「黒い太陽」を持つ異形の巨像を完成させた。その威容は万博が終幕し、その未来世界が夢の跡となった今も永久保存され続けている。
では……『太陽の塔』とは一体何なのか。この春、48年ぶりに一般公開された内部展示『生命の樹』に希望者が殺到する人気の一方で、誰がその問いに答えられるというのか…?
本作が初長編ドキュメンタリーとなる気鋭の映像作家・関根光才(こうさい)監督に導かれ、設計者や美術研究者らの言葉、太郎が探求した人類学や縄文の美をたどり、3.11後の閉塞感に至って南方熊楠(みなかた・くまぐす)の「縁」の思想へ、そして曼荼羅(まんだら)、さらにチベット仏教の高僧の宇宙観へと爆発(ビッグバン)を果たす。
「何だこれは!」もはや、いわゆる普通のドキュメンタリーではない。哲学、社会学、考古学、文明論、生命論、宇宙論へ真っ向勝負を挑む無限思索の果てに、私たちは何を見いだすのか? その答えは『太陽の塔』だけが知っている。
『太陽の塔』
監督/関根光才
インタビュー出演/糸井重里、椹木野衣、菅原小春、舘鼻則孝、Chim↑Pom、中沢新一、平野暁臣ほか(計29名)
URL/http://taiyo-no-to-movie.jp/
2018年9月29日(土)、渋谷シネクイント、新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田ほか全国公開中
展覧会「太陽の塔」
会期/開催中〜2018年11月4日(日)
会場/大阪・あべのハルカス美術館
URL/www.aham.jp/
©2018映画『太陽の塔』製作委員会
Edit & Text : Keita Fukasawa