イーサン・ホーク、30歳で味わった絶望を語る
イーサン・ホーク(Ethan Hawke)は、30歳の時に人生に絶望していたという。
1989年の映画『いまを生きる』で転校生役に抜擢されたイーサンは、1994年の『リアリティ・バイツ』や1995年『恋人までの距離(ディスタンス)』の主演で誰もが知る有名俳優となった。だがその後の10年はなかなか配役を得られず苦労したようだ。
イーサンは次のように語っている。「何度かオーディションに通ったよ。90年代が終わる頃だった。」「まだ30歳だっていうのに、絶望を感じていたよ」「友達はみんな『プライベート・ライアン』のオーディションに行っていた。でも僕はオーディションに参加すらできなかったんだ。制作陣は僕のことを知っていて、要らないと言うんだ。『オーディションに来る必要はないよ。私たちは君のことは知っているし、君向きの役ではないから』ってね」「彼らは僕の出演した『真夜中の戦場 クリスマスを贈ります』を見ていた。スピルバーグも好きだったらしいけど、彼は自分の映画のオーディションには僕は要らないと言ったんだ」
また、ベン・アフレックやマット・デイモンなど同世代の俳優が経験を重ね自分の役柄を確立していくのに対して、自分は過去に演じた役に捕らわれ、新しいことに挑戦できずにいるとも感じていたようだ。
2001年の『トレーニング デイ』での麻薬取締課の新人刑事ジェイク役でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたことが再ブレイクのきっかけとなったというイーサンだが、前妻ユマ・サーマンとの離婚を同時期に経験することになる。
アメリカ版GQ誌に対して、イーサンは次のように語った。「色んな意味で、それ(『トレーニング デイ』での成功)が何かの始まりだったんだ。僕の俳優人生では最高の瞬間だった。これで俳優としてやっていけるんじゃないかなって思えた」「でも僕は離婚して、プライベートではボロボロだった。うつ状態にあるときは、他人や人生の何もかもフェイクだと考えがちだけど、僕もすぐにそうなった。有名人だなんて偽物だ、全部偽物だってね。自分の中にいる(『ライ麦畑でつかまえて』の主人公)ホールデン・コールフィールドが現れるんだ」