齊藤工監督の映画『blank13』感動と笑いの70分! | Numero TOKYO
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齊藤工監督の映画『blank13』感動と笑いの70分!

国内&海外映画祭で絶賛! 独自のタッチで描く、俳優・斎藤工が挑んだ初長編作『blank13』の見どころとは?

実話をもとにした、ある家族の空白の物語

父親の葬式会場から物語は始まる。ギャンブルに溺れ、借金を残して13年前に家出したきり音信不通だった父(リリー・フランキー)が余命3カ月で見つかった。母(神野三鈴)、兄(斎藤工)は見舞いを拒否したが、高橋一生演じる主人公・コウジは入院先の父を訪ねる。そこで見たのは相変わらず金の工面をしている父の姿だった。溝が埋まらないまま、この世を去った父。回想シーンを通じて、家族の歴史がひも解かれていく。

再び、シーンは葬儀会場へと移る。父の葬式に参列するのは、数少ない友人たち。一方、近所では大勢が参列する立派な葬儀が執り行われていた。そんなさりげなくシニカルな対比もユニークだが、この数少ない、しかし個性豊かすぎる参列者たちがそれぞれに語る、生前の父とのエピソードや思い出。参列者の一人、名脇役・佐藤二朗のアドリブが冴え渡る回しは強烈な存在感を放っている。他にも、野性爆弾くっきー、ラバーガールの大水洋介、昼メシくん、曇天三男坊といったお笑い芸人、さらに、現代アーティスト集団Chim↑Pomの岡田将孝まで斎藤工と親交のある面々が、シリアスな葬儀をコメディやコントの舞台へと仕立て上げ、思わず笑ってしまうのだ。

そんな各々の持ち寄った濃いエピソードからどうでもいいような薄いエピソードを通して、兄弟は初めて本当の父を知ることに…。そして、見舞いにも葬式にも顔を出さなかった母の胸中とは…。

身近な人の不在、死という普遍的なテーマを、齊藤工独自のセンスで料理した、笑いと涙、ユーモアと感動が緩急をつけて立ち現れる、異色な、珠玉の家族の物語となっている。

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『blank13』
監督/齊藤工
原作/はしもとこうじ
出演/高橋一生、リリー・フランキー、松岡茉優、神野三鈴、斎藤工、佐藤二朗ほか
URL/www.blank13.com/
シネマート新宿ほか全国順次公開中
©2017「blank13」製作委員会

Text:Masumi Sasaki

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