中平卓馬の40年前の作品が書籍化@CASE TOKYO | Numero TOKYO
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中平卓馬の40年前の作品が書籍化@CASE TOKYO

Takuma Nakahira  (C) Gen Nakahira Courtesy of Osiris
Takuma Nakahira (C) Gen Nakahira Courtesy of Osiris

2015年に惜しまれつつこの世を去った、日本を代表する写真家の中平卓馬。1974年に国立近代美術館で発表した「氾濫」の書籍化に合わせ、昨年、東京渋谷にオープンしたアートスペース、CASE TOKYOにて展覧会を開催中。4月14日(土)まで。

60年代半ばから写真を撮り始め、以後日本を代表する写真家の一人として知られる中平卓馬。2015年にこの世を去った後も、彼の作品は今なお多くの人に愛され続けている。 
Takuma Nakahira (C) Gen Nakahira Courtesy of Osiris
Takuma Nakahira (C) Gen Nakahira Courtesy of Osiris

今回CASE TOKYOで開催される「氾濫」展では、1974年に東京国立近代美術館で開催された「15人の写真家」展に、中平が出品した48点のカラー写真からなる、横6メートル、縦1,6メートルにおよぶ巨大な作品を書籍化し、出来上がった写真集を分解して再構成されたインスタレーションを鑑賞できる。
壁を這う蔦や、路上のマンホール、ガラス越しに見る水槽の鮫など、写真家が日々遭遇し捕獲した都市の断片が鮮やかに映し出されているこの作品。そこからは、情報と商品、そして事物が氾濫する都市空間の無気味な裂け目を見ることができるだろう。

制作から40年経った今、「氾濫」から改めて中平の写真的思考と実践を覗いてみては? 同名作品集(Case Publishing刊)にも注目を。

中平卓馬『氾濫』展
会期/2018年3月10日(土)~4月14日(土)
会場/CASE TOKYO
住所/渋谷区渋谷2-17-3渋谷アイビスビルB1
時間/11:00~19:00
祝日/日・月・祝日
TEL/03-6452-6705
URL/case-publishing.jp/space.html

Text:Akane Naniwa

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