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Culture Art

87×68mmの小さな世界、上田義彦の新作「林檎の木」

上田義彦
上田義彦

写真家・上田義彦による“林檎の木”をテーマにした新作展が開催される。六本木の小山登美夫ギャラリーにて1月13日 (土)まで。

自然、生物、人物などを主題とし、アート写真や広告写真というカテゴリーに縛られることなくシャッターを切り続けてきた写真家・上田義彦。目の前の世界を、自分自身の目で捉え直しファインダーに収めることで、観るものを魅了してきた。

本展では、林檎の木を被写体にした作品10点を展示。この新作は、2013年に群馬県の川場村で上田が目を奪われた林檎の木に端を発する。タクシーの中から見えた木が忘れられず、数年後に再び同地を訪れて8×10のカメラで撮影したもの。川場村で一番古い木に実る赤い林檎の生命力と、この木に出合えた作家の高揚した気分までもが写し出されているかのようだ。

また、87×68mmという小さなプリントと、充分に確保された余白がもつバランスと関係性は、林檎の木を前にして上田が感じた距離感だという。作家が普段慣れ親しんだ8×10、4×5、6×7のサイズでは表現できなかった “親密な距離” だ。

「”風景”という言葉に具わる固定観念に引きずられて撮影された風景写真には興味がない。人間と自然界との私的交流から生まれた再発見がそこになければならない」と、上田。

写真表現を始めて40年を迎える上田義彦の、新しい眼差しに目を凝らしてみたい。

上田義彦展「林檎の木」
会期/2017年12月2日(土)〜2018年1月13日 (土)
会場/小山登美夫ギャラリー
住所/東京都港区六本木6-5-24 complex665ビル2F
入場料/無料
時間/10:00〜19:00
休館/日・月曜日、祝日、2017年12月29日(金)〜2018年1月8日(月・祝)
TEL/03-6434-7225
URL/tomiokoyamagallery.com/exhibitions/yoshihikoueda2017/

Text : Manami Abe

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