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Culture Art

プラダ財団でのインスタレーション『Slight Agitation 3/4:Gelitin』がすごい!

PRADA、プラダ、

 

ミラノのプラダ財団内にある「Cisterna」にて、2018年2月26日まで『Slight Agitation 3/4:Gelitin』が開催されている。会場に合わせて制作された作品を順に展示していく4部構成のプロジェクトの第3章となり、今回はオーストリアのアーティスト集団Gelitinが担当する。

Text:Hiromi Mikuni

4部構成のプロジェクト『Slight Agitation』、第1章はスロベニア出身のトビアス・プトリ(Tobias Putrih)が、第2章はスイス出身のパメラ・ローゼンクランツ(Pamela Rosenkranz)、最終章はブラジル出身のラウラ・リマ(Laura Lima)が制作する。そして、第3章を担当するアーティスト集団Gelitinは、1978年にサマーキャンプで初めて出会った4人組、ヴォルフガング・ガートナー(Wolfgang Gantner)、アリ・ジャンカ(Ali Janka)、フロリアン・ライター(Florian Reither)、トビアス・アーバン(Tobias Urban)で構成されている。彼らは90年代より、巨大なオブジェ、インスタレーションなど様々な手法を用い、過激にそしてユーモアをまじえながら、全体主義芸術やパフォーマンスの再解釈を試みてきた。

今回、Gelitinが発表するプロジェクト『POKALYPSEA-APOKALYPSE-OKALYPSEAP』では、3つの大きな彫像が、古代の典型的な建築(凱旋門、オベリスク、円形演技場)をテーマとしながら、それらのレトリックとモニュメントのコンセプトを見事に覆している。

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Cisternaの中央スペースには、ブリッジする巨大な男性の彫刻『Arc de Triomphe』(2003年/2017年)が登場。プラスティシンで作られ、象ほどの高さがある。さらに本物の噴水も配され、展示スペースが人の集うスペースへと変容している。

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つづいては、キリンの高さほどのポリスチレンブロックで作られた彫刻。 イヌイットのイグルーのようでもあり、オベリスクの記念碑、あるいは大きなテーブルの上に置かれた葉巻のようにも、見える。

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3つ目の彫刻は、古代の円形演技場を思わせる木製の螺旋。観客は、彫像の中に入って観覧席に座ったり、インスタレーションの中央で喫煙することもできる。Gelitinは「この凡庸な行動を他の観客と共有する人は、サミュエル・ベケットの不条理演劇でもなく、カラオケのパフォーマンスでもない、その中間のどこかに位置する、束の間の短い芝居の主役を演じることができる」と考えているという。

本プロジェクトのタイトル『Slight Agitation(ささやかな動揺)』は、フランス人歴史家フェルナン・ ブローデル(Fernand Braudel)が地中海の潮汐を「une légère agitation」(ささやかな動揺)と詩的に表現したことにちなんでいる。プラダ財団評議会は「哲学的にも物質的にも手法が大きく異なるアーティストの介入を表現するため、彼らにCisternaの空間的背景に干渉し、対話を行い、作品を通して見る人の身体的経験と付随する感覚に影響を与えるよう」依頼したという。常識やこれまでの美学では捉えきれない、無秩序で不遜なインスタレーションに対する彫刻的な言語とアプローチを生み出すGelitinの集合作品。この機会にぜひミラノのプラダ財団へ訪れてみてはいかが。

SLIGHT AGITATION 3/4: GELITIN
期間/2017年10月20日〜2018年2月26日
場所/Fondazione Prada – Milano
住所/Largo Isarco,2 Milano
URL/www.fondazioneprada.org/
お問い合わせ/プラダ ジャパンカスタマーリレーションズ
TEL/0120-559-914

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