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Culture Art

WOW: arts #12
『floating anima_01』——浮遊する息吹

 

まさに鮮烈。日本発、映像から空間、伝統工芸から仮想現実までを操る先鋭的創造集団「WOW」。その地平をさらに進化させるべく発足した「ART」部門へ、新たにラインナップされた作品をご紹介しよう。

Text:Keita Fukasawa

2017年夏。東日本大震災の津波で大きな被害を受けた旧石巻港湾病院の建物内に、いまだかつて誰も見たことのない光景が出現した。鏡で覆われた空間の中、壁面に投影された映像に輝きながら無数のミラーバルーンが宙を漂い、生き物さながらに波打ち、さざめいているーー。
作品のタイトルは『floating anima_01』。WOWと音楽プロデューサー小林武史、バルーンアーティストのDAISY BALLOONという、異色の顔ぶれによるコラボレーション作品だ。

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じつはこのインスタレーションは、小林武史の呼びかけによって今年初開催された『Reborn-Art Festival 2017』の出展作品。東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市と男鹿半島を舞台に、アート・食・音楽が一体となった芸術祭。アート分野では草間彌生から名和晃平、Chim↑Pom、ルドルフ・シュタイナーやヨーゼフ・ボイスら故人もあわせて総勢39組の作品が広大なエリアに散りばめられた。

『floating anima_01』は、旧石巻港湾病院の建物を参加アーティストやボランティアの活動拠点として再生させた「Reborn-Art House」の展示作品。東北と人々の“reborn”を願うこのフェスティバルの訪問者はこの場所で、まるで生きているかのように身じろぎしながら浮遊するバルーンたちの息吹を目撃する。
それは、WOWがアート表現を通して追求する「anima(生命現象)」の一つの発露。ここで出会った人々の心の中に、新たな“reborn”の予兆が芽生え、そして花開いていく。

WOW ART
www.w0w.co.jp/art/

『floating anima』
www.w0w.co.jp/art/floatinganima_01

Profile

深沢慶太(Keita Fukasawa) フリー編集者、ライター、『Numero TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numero TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集やインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)などがある。『Numéro TOKYO』では、アート/デザイン/カルチャー分野の記事を担当。

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