アメリカ国境問題を考える! Chim↑Pom展「The other side」 | Numero TOKYO
Art / Post

アメリカ国境問題を考える! Chim↑Pom展「The other side」

Chim↑Pomが、アメリカ合衆国の国境問題をテーマにした「COYOTE」(2014年)、「U.S.A Visitor Center」(2016年)に続く最新作「The Grounds」「Libertad」を発表。その個展が4月9日(日)まで開催中。

「The Grounds」「Libertad」は、アメリカとメキシコの国境沿いで取り組んできたアートプロジェクトの最新作。2016年から今年にかけて約2ヶ月間、アメリカとの国境があるメキシコ・ティファナで制作した。メンバーであるエリイがアメリカへの入国規制という個人的な問題を抱えたことをきっかけとなり、スタートしたこのプロジェクト。今回の個展では、2016年にメキシコに設置した「U.S.A. Visitor Center」を模した小屋とそこから見える風景を映像で展示。さらにアメリカの土地に立つことができないエリイが、メキシコ側から国境まで穴を掘り、地下でアメリカの土地に足跡を残した「The Grounds」、アメリカ側の柵とメキシコ側の柵の間にある「ノーマンズランド」と呼ばれるゾーンにFRPで制作した穴と十字架とスコップを設置した「Libertad」を発表。

トランプ大統領の就任により揺れるアメリカ=メキシコの国境問題。昨年の世界が注目する選挙の最中に、メキシコに滞在していた彼らが目にしたのは、壁を乗り越えて密入国する人、全くアメリカに興味のない人、生活の一部として身近な存在である国境の壁。報道だけでは知ることができない現地の様子は、エリイへのインタビューでチェック。たった15分で行き来ができる距離なのに、国境が分断するものは大きい。「ボーダー」とは何か、騒がしい今だからこそ改めて向かい合いたいテーマだ。

Chim↑Pom展「The other side」
会期/開催中〜2017年4月9日(日)
会場/無人島プロダクション
住所/東京都江東区三好2-12-6
開館時間/12:00〜20:00(火〜金)、11:00〜19:00(土、日)
休廊日/月曜
URL/chimpom.jp/

Chim↑Pomエリイのインタビューはこちら

Text:Miho Matsuda

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