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舘鼻則孝が新作個展で挑む!岡本太郎の “呪い” とは?

Homage to Taro Series : Shoes of Sun, Photo by Noritaka Tatehana ©NORITAKA TATEHANA, 2016

「呪い」と聞くと、不吉な感じがする。
多くの童話で、美しい王女や王子は悪役の魔女に呪いをかけられ、毒殺されたりカエルに姿を変えられたりしている………。時は流れて現代の日本、アーティスト舘鼻則孝は個展「呪力の美学」で、ある呪いに挑んでいる。そして、その呪いをかけたのは………あの、岡本太郎だ。

レディー・ガガも愛用する「ヒールレスシューズ」の制作で知られる舘鼻、その史上最大規模の個展となる今展が開催されるのは、南青山にある岡本太郎記念館だ。生前のアトリエも含む記念館の全てをジャックした、壮大なオマージュかつ、ガチンコ勝負の展覧会には、写真のヒールレスシューズシリーズの新作や、自身の身体をスキャンして鋳造彫刻とした “黄金のスカル” 作品の『Traces of a Continuing History Series』などが、岡本の映像や肉声をバックに出品される。

開催に寄せて、舘鼻はこう語っている。「聖地とも呼べる記念館で展覧会を開くということは、私にとってのプリミティブ・アートの象徴とも言える太郎へのオマージュであり、過ぎ去ろうとしない時代を見つめ直す機会ともなった。」

そう、岡本太郎という存在は、日本美術界においてあまりにも大きい。
「芸術は爆発だ!」というセリフは、エキセントリックで衝動的、孤高の存在で天才肌という現在の “アーティスト” 像を作り出し、舘鼻が言うような「プリミティブ・アート=岡本太郎」という図式は、死後20年が過ぎた現在でも、まさに呪いのように残り続けている。

しかし童話の魔女がかける呪いと決定的に違うのは、岡本太郎が “悪役” ではなく偉大な先駆者であり、越えるべき父であるという点だ。「和装」を職人的技術でアートに昇華し世界に羽ばたいた舘鼻、そんな彼が、岡本太郎の残した “悪役不在(ヒールレス)の呪い” に挑む姿を、見逃さないで。

「舘鼻則孝 呪力の美学」
会期/2016年11月3日(木・祝)〜 2017年3月5日(日)
会場/岡本太郎記念館 東京都港区南青山 6-1-19
時間/10:00〜18:00(最終入館 17:30)
休館/火曜(祝日の場合は開館)、年末年始(12月28〜1月4日)及び保守点検日
URL/taro.noritakatatehana.com

Homage to Taro Series : Shoes of Sun, Photo by Noritaka Tatehana
©NORITAKA TATEHANA, 2016

Text:Ken Suzuki

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