アートを通して “からだ” と向き合う展覧会@横浜美術館
季節の変わり目、私は案の定、風邪をひいてしまった。
熱が出て、鼻が詰まって……。どこかのバンドが歌ったように、自分には “からだ” があることを思い出した。普段は特に気にすることもない、あるいは当たり前のように接している “からだ” 、そこに含まれる様々な問題に現代アートを通してアプローチする展覧会、「BODY/PLAY/POLITICS」が横浜美術館で開催中だ。
身体的特徴の数々は、文化や民族のアイデンティティに紐づけられている。 ”黒髪ロングのアジアンビューティー“ などポジティブな印象を与えるものもあれば、肌の色や性差、民族など、差別の原因となり、不幸な歴史に繋がった例も多くある。
そんな身体を通じて立ち現れてくる歴史に、詩的かつユーモア溢れる表現の数々を通して向き合い、そして未来に向けて新たな意味を見出していこうとするのが、今回の展覧会だ。
出品作家はアフリカ風の更紗を用いた作品で知られるイギリスの作家インカ・ショニバレMBE、マレーシアの女性作家イー・イラン、映画監督としても知られるタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン、ベトナムを拠点に活躍するウダム・チャン・グエン、そして日本からは注目の作家、石川竜一と田村友一郎の6名。
特に日本の秋は、何かと身体を気にすることが多い。
スポーツの秋、食欲の秋、そして体調不良の秋……。展覧会に足を運んで、あなたも今一度、自分の “からだ” と向き合ってみてはいかが?
「BODY/PLAY/POLITICS」
会期/2016年10月1日(土)〜 12月14日(水)
会場/横浜美術館 神奈川県横浜市西区みなとみらい 3-4-1
時間/10:00〜18:00(入館は17:30まで)
※10月28日(金)は20:30まで開館(入館は20:00まで)
休館/木曜、11月4日(金)
※ただし11月3日(木・祝)は無料開館
TEL/045-221-0300
URL/yokohama.art.museum/special/2016/bodyplaypolitics/
ウダム・チャン・グエン《ヘビの尻尾》より(部分)、2015年
©UuDam Tran Nguyen. Courtesy of the artist.
Text:Ken Suzuki