ポールダンスで電力ゲット!自家発電で行う上演芸術の宴 | Numero TOKYO
Culture / Post

ポールダンスで電力ゲット!自家発電で行う上演芸術の宴

「自家発電ナイト2016」

タイトルからもわかる通り、今回紹介するのは “アートによる発電パフォーマンスイベント” だ。 しかしながら、資料を読みながら筆者が思い出していたのは、奇しくも現在社会現象的にヒットしているゲーム……そう、『ポケモン GO』だった。

1997年に放送が始まったアニメ版「ポケモン」、その最初期に、こんなエピソードがあった。
敵の襲撃によって停電した病院。設備が止まり、入院中のポケモンたちにも被害が及びそうになるなか、非常発電装置として大量のピカチュウ(!)が登場し、電力の供給が回復。主人公も自転車を漕いで発電し、最後はその電撃で敵を倒す……という話だった。

ここで取り上げられている「電力」の問題は、現代の私たちが直面している難題のひとつでもある。
東日本大震災後、原発事故による電力の供給不安は、公演の中止や延期など、パフォーミングアートの世界にも大きな影響を及ぼした。EARTH+GALLERYで7月30日に開催されるイベント、「自家発電ナイト2016」でアーティストが私たちに問いかけるのは、まさにそんな電力の問題だ。

今回のイベントでは、「回転することで発電するポールダンスマシン」が用いられる。
“孤高の覆面アーティスト” としても知られるメガネが約3時間にわたってポールを回し続けることで電力を供給し、10組以上の出演アーティスト(ビッグバンド「渋さ知らズ」のメンバー青山健一や松原東洋、長谷川宝子など)がパフォーマンスを繰り広げる。

アーティストたちの身体からほとばしり、ヒリヒリと私たちの肌をうつ「芸術的エネルギー」と、そのアウラを生み出すサポートとしてメガネが作り出す「電力エネルギー」。美しい前者を通して、後者の大切さを考える、そんなメタ的な構造が隠されているアートイベントなのだ。

発電しつつ、私たちに訴えかけるパフォーマンスをアレンジメントする…。
まさにサトシ兼ピカチュウ的な活躍をする、メガネと出演アーティストたちを見逃さないで!

「自家発電ナイト2016」
会期/2016年7月30日(土)
会場/EARTH+GALLERY 東京都江東区木場 3-18-17 1F
時間/18:00〜21:30(17:00開場)
料金/予約 3,000円+1drink order
   当日 3,500円+1drink order
予約/info@traumaris.jp
TEL/03-5809-9949
URL/earth-plus.net/?p=7323

photo by bozzo

Text:Ken Suzuki

Magazine

JANUARY / FEBRUARY 2025 N°183

2024.11.28 発売

Future Vision

25年未来予報

オンライン書店で購入する