会場に用意されるのは、274cmの巨大なスタンウェイのコンサートグランドピアノのみ。通常のコンサートのようにスピーカーで拡張することなく、ピアノによる生の音とサンプリングリバーヴによる残響のみが、暗転した空間を満たす。曲目は自身の作品のほか、サティ、ブラームス、バッハ、ケージなどのクラシック。そして即興が織り交ぜられながら、その一瞬にしか味わえない音が紡がれていく。
コンサートを前に渋谷は「ピアノの生音にこだわり、マイクで増幅するのは残響のみという極上の音響空間で聴くピアノソロはいままで経験したことのない。教会の儀式のようなコンサートとなるだろう」とコメント。初音ミクによる新作オペラ公演「THE END」を実現させるなど、テクノロジーを駆使した先鋭的な演奏会が増えている中、今回のような試みはとても希少。ピアノの生演奏を聞きながら過ごす、ロマンチックな冬の夜。表参道、スパイラルホールの会場へぜひ足を運んで。