でも、 “女性である” ということはどういう意味なのだろう? 社会における女性の地位はこのままでいいのか? 人種差別や戦争も含めて、社会をこのままにしておいてはいけない!と、ニキはアートを通して “時代” と向き合い続けた。そんな戦後美術を代表する巨匠、ニキ・ド・サンファルの大回顧展が、六本木・国立新美術館にて開催されている。
少女時代を過ごしたアメリカや、母国フランスの抽象絵画に影響を受け、女性アーティストとして独自の地位を築いてきたニキ。喜びにあふれる新しい社会の可能性を提起した『ナナ』シリーズや、公民権運動に応えるかのような人種を超える身体のイメージ、暴力を想起させることで “戦争” を考えさせた『射撃絵画』など、美術史的にもその手法が高く評価される彼女の作品群は、世界に “社会の現状” を訴え続けてきた。一人のアーティスト、一人の女性として、エネルギッシュにパワフルに創作を続けた半世紀を、 “ニキと日本の関わり” にも焦点を当てながら紹介していく今回の展覧会。ニキ・ワールドに足を踏み入れたならあなたも、“女性であること” をもっと誇らしく、もっと喜ばしく感じられるはず!
ニキ・ド・サンファル展
会場/国立新美術館 企画展示室1E
会期/2015年9月18日(金)〜 12月14日(月)
時間/10:00〜18:00(金曜日は20:00まで)* 最終入場:閉館30分前
休館日/火曜日
TEL/03-5777-8600(ハローダイヤル)
WEB/www.niki2015.jp
ニキ・ド・サンファル《愛万歳》1990年 Yoko 増田静江コレクション
© 2015 NCAF, All rights reserved.
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Text: Kahlua Tsunoda