ひとつの夫婦の姿を男女それぞれの視点から切り取りとると? 意欲作2作が公開中 | Numero TOKYO
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ひとつの夫婦の姿を男女それぞれの視点から切り取りとると? 意欲作2作が公開中

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ひとつの若い夫婦の破局とその後を、夫側の視点から描いた『ラブストーリーズ コナーの涙』と妻側の視点から描いた『ラブストーリーズ エリナーの愛情』の2作が同時公開された。   我が子を失って以来、心が通い合わなくなってしまったコナーとエリナー。コナーは何とか取り繕おうと試みるが、エリナーは些細なことがきっかけで家を出てしまう。過去を捨てて心機一転する心づもりのエリナーと、何とか関係を修復すべく彼女を追い回すコナー。そんな物語がそれぞれの視点からつむがれる。 面白いのは、同じ場面であってもそれぞれで台詞が微妙に違っていたりするところ。記憶違いと考えるか、それぞれがそのときに言いたかったこと、言われたかったことと考えるか、すべては観客に委ねられている。2作とも見てももちろんいいし、どちらか1作だけ見ても楽しめる。カップルで別々の作品を見て、それぞれの立場から意見を言い合うのも面白いかも。いずれにしても、色々な見方に開かれた作品になっているので、自分だけの見方を見つけてみて!   『ラブストーリーズ コナーの涙』 監督/ネッド・ベンソン キャスト/ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャステイン、キーラン・ハインズ、ビル・ヘイダー 配給/ビターズ・エンド。パルコ   『ラブストーリーズ エリナーの愛情』 監督/ネッド・ベンソン キャスト/ジェシカ・チャステイン、ジェームズ・マカヴォイ、ヴィオラ・デイヴィス、イザベル・ユペール 配給/ビターズ・エンド。パルコ   HP/bitters.co.jp/lovestories/ ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほかにて公開中
  Text:Keisuke Kagiwada

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