「#グラドル自画撮り部」に心惹かれる3つの理由
グラビアアイドルたちが、ハッシュタグ付きで自撮り写メをツイートする「#グラドル自画撮り部」。今年初めにスタートしたこの「部活動」が、社会現象になっている。「グラビア界を盛り上げたい」という発起人、“部長”の倉持由香さんはフォロワー数が8万人を超え、DVDや写真集の売上も大幅アップ。「SNSマーケティングアイドル」の誕生に高い関心が集まった。“副部長”の吉田早希さんや、“書記”の塚本舞さんもフォロワーが大幅に増え、それぞれに仕事の幅を広げているようだ。
「#グラドル自画撮り部」がここまで受けた理由は3つある。
(1)「セクシーな女の子が見たい」という欲望と、Twitterの匿名性がマッチ
Twitterのように匿名性の高いSNSと「性的コミュニケーション」は、もともと相性が良い。Twitterには以前から、下着姿の写メなどを定期的に投稿する「自称JK」などが存在していた。つまり、そういう「女の子の私的な写メ」を見たい、触れ合いたいという男性アカウントもたくさん存在していたのだ。グラドルたちの自撮り写メに心惹かれる男性は、「完璧に作られたグラビア写真」よりも、私的なセクシーショットを覗き見したいと思っている。匿名性の高いTwitterは、その欲望を叶えやすいメディアである。Facebookではシェアしづらいセクシーなコンテンツも、Twitterなら気軽に閲覧し、RTできるからだ。
(2)「部活動」にヒントを得たネーミングセンスの妙
「◯◯部」というネーミングは、ユニセックスな学校文化を感じさせる。その「○○部」と、セクシャルな「グラドル」の「自画撮り」という表現が組み合わさると、ミスマッチでちょっと隠微な響きになる。「え、なになに?」と興味をそそるのだ。部活動にまつわる「青春期に一生懸命がんばる若い子たちの集団」というイメージもプラスになる。
(3)“自虐性”とユーモアがあるから、応援したくなる
さらに「自画撮り部」という響きには、「これはあくまで部活動なので、興味があればご覧下さいね…^^;」という自虐性もある。エロティックな自撮り写メをSNSに投稿する行為は、普通なら「自己愛」を感じさせるものだ。仕事でやっているグラドルに対してさえ、批判が来るかもしれない。
そこを無意識にカバーしているのが、“部長”の倉持さんだ。彼女は「あくまで部活」という低姿勢なスタンスの上、セクシーショットを投稿する際も「尻職人が0時過ぎをお知らせします」などのユーモアを加えている。
こうした行為を、「部活動」としてグラドルたちが一斉に実行すれば、セクシーなコンテンツにつきまといがちな負のイメージを、ある種の「爽やかさ」へと昇華させることができるだろう。だから心惹かれて応援したくなるし、「その自撮りテクを真似したい」という女の子たちも出てくる。「#グラドル自画撮り部」恐るべしである。
Text:Kaya Hojo