80年代から90年代にかけて、小沢健二や松任谷由実のCDカバーイラストなどを手がけてきた”売れっ子イラストレーター”の下條ユリは、キャリアの絶頂期に渡米する。以後、NYで画家として己の世界観を追求してきた彼女が、2012年に描きあげたのが、“生と死”をテーマにした「メメント・モリ」。「メメント・モリ」とは古代ラテン語の警句で”自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな”という意味。それは同時に”今を楽しみ生きろ”という意味もあるそうだ。
2013年、日本では11年ぶりとなる京都法然院での個展において展示された「メメント・モリ」が、このたび遂に東京上陸を果たす。場所は浅草に材木問屋の内蔵として建てられた土蔵を、有志のアーティストたちが再生したアートスペース、ギャラリー・エフ。東大震災、東京大空襲、そして東日本大震災と、数々の災禍をくぐり抜けてなお残ったこの場所で、「メメント・モリ」を見ること。それはきっと未知なる体験となるに違いない。なお、会期中はトークショーも開催されるとのことなので、そちらもお見逃しなく。
下條ユリ個展「メメント・モリ」
場所/ギャラリー・エフ(東京都台東区雷門 2-19-18)
会期/3月12日(水)~4月6日(日)
時間/12:00~19:00
定休日/火曜日
入場料/無料