──パッジケージもSHIGETAを想像していると意外ですね。M「Chicoちゃんのすごいところは、アウトプットに拘っていないんですよね。聞けば聞くほど通常のSHIGETAと芯の部分は一緒なんですけど、バーンとこっちに振り切ってくれてるのがすごく面白いなと思っていて。私は、私っぽくなきゃ嫌だなんて一言も言っていないのにこういうのがでてきて、すごい好きだなって。今回は吸い上げてもらってあとは楽しみって感じだったけど、私も普段誰かと組むときや何かやるときってそういうふうに振り切った方が面白かったりするんですよね」
C「作品を通していつも伝えている事って何?って聞いたら、自分の人生は自分で決めること。それを映画とかを通して伝えてるって言ってたから、じゃあこれが形になったときに、それもやっぱり同じ路線じゃないといけないって私の中でスゴく感じて。商品名も『VOYAGE BY MIKA NINAGAWA』ってつくんだから、そこは外しちゃいけないな、って。蜷川実花らしい形にしていくってことが一番大事で、そこはSHIGETAをだすところではない。どんなオイルを選んでどうやってブレンドするかっていうところにSHIGETAらしさが出ていると思います」
──今回一緒にコラボをしてみて、改めてお互いをどう感じましたか?M「言葉を香りにするということには正直びっくりしました。脳内どうなってんだろうって。ただ、やり方を聞いていたらすごく仕事のやり方が似ていて。私が自分の作品集を作るときとか、映画の大事なプロットを描くときって、全部を準備していつでもできる状態にして置いておくんです。それで、ある瞬間がくるんですよね。あ、今だ!っていう、ギアが入る瞬間を嗅ぎ分けられる。今回、オイルを作ったときの話を聞いて、同じだなって新たな発見もあった」
C「やっぱりクリエイションに対する情熱の深さと強さ、愛情をお話を聞きながら感じました。95%のオンがあって、残りの5%のオフの時間ですらも、オンのためにいかに効率よく過ごすかっていうことに、意識的にエネルギーをかけているんですよね」
M「私、ハワイが好きでよく行くんだけど、改めてあそこはただ単にバカンスのためだけに行っているんだなって思った。子どももいるし、ほんわかしているときももちろんあるんだけど、それは自分の人生においてはまた全然別なんだなって思って。これが4本だったら、あと1本が全然思い浮かばないんですよ。あとどんな香りが欲しい?って聞かれても、ほっこりした幸せな香りが欲しいとも思わない。やっぱりこの3本で私は成り立っているんだなぁってつくづく思うし、そしてそのひとつひとつの香りがすごく意志のある香りだなと思うんですよ。こんなに香りにでるもんなんだなって(笑)」
C「媚びてないよね。品があって、クセになるの。上質だし、色んな人にも使ってもらえると思います!」