エスパス ルイ・ヴィトン東京が無限∞空間に!? 森万里子 来日インタビュー | Numero TOKYO - Part 2
Culture / Post

エスパス ルイ・ヴィトン東京が無限∞空間に!? 森万里子 来日インタビュー


展示風景より、『Infinite Energy I, II, III』(2013年)
© Louis Vuitton / Jérémie Souteyrat Courtesy of Espace Louis Vuitton Tokyo

 

──展覧会は新作7点を含む、全8作品から構成されていますが、個別の作品がそれぞれに“無限の再生”を表している、ということでしょうか。

「そうですね。例えば、最も大きな作品『Infinite Energy』は、3本の螺旋状の柱で構成されており、見えないエネルギーを具現化したものです。来場者が近付いていくと、インタラクティブに反応して色を変えながら、地上から天に向かって光を発し続けていく。とくに夜は、鏡と窓の映り込みで、巨大なスパイラルが森のように林立しているように見え、さらに神秘的な雰囲気を味わっていただけると思います」


展示風景より、『Renew I』『Renew II』『Butterfly』(いずれも2013年)
© Louis Vuitton / Jérémie Souteyrat Courtesy of Espace Louis Vuitton Tokyo

 

──“メビウスの帯”のような立体作品は、『Renew I』『Renew II』というタイトルですが、こちらはシリーズ作品ということでしょうか。

「そうです。メビウスの帯を基調にして、私たち生命の生と死、さらには宇宙における果てしない循環を表しています。
ホログラフィックな表面の質感にも、宇宙論的な視点を盛り込んでいます。宇宙の始まりとされるビッグバンは、時空のブレーン(膜)同士が衝突したことによって起きたという説があるのですが、同じようにこの作品も、見えている表面の中にたくさんのブレーンやエネルギーを感じさせるよう、多次元的な質感を追求しました」

──もう一つの作品、『Butterfly(蝶)』にも、同様の塗装が施されていますね。

「これはヴェネツィア・ビエンナーレの特別プロジェクトで行われたオペラ『蝶々夫人(マダム・バタフライ)』の舞台装置の模型です。フェニーチェ劇場の舞台に設置された実物は全長が8メートルあり、第1幕では空中に吊ってあったものが、第2幕では降りてきて、蝶々夫人の家族の家になる。舞台上で蝶々夫人は自決してしまいますが、肉体は滅びても、魂は再び続いていくという永遠性を表しています」

 
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