860
Culture Post

チリから日本へ。銀座メゾンエルメス『クローゼットとマットレス』展

スミルハン_p1-1
『Armario Drawing』(2013年)
© Smiljan Radic
銀座のメゾンエルメスにて、南米チリを代表する建築家+彫刻家のインスタレーションがスタートした。題して『クローゼットとマットレス』展。
いうまでもないが、「クローゼット」=戸棚、押し入れ。「マットレス」=敷き布団の下やベッドなどに用いる厚い敷物。(大辞泉より)
しかし……メゾンエルメスの8階に位置するフォーラムといえば、現代アート&現代建築界を代表する才能たちが、その唯一無二の展示空間と響き合い、めくるめく大輪の花を咲かせてきた栄光ある場所。当たり前だが、単に2種類の家具を並べるだけに留まらない、深遠なるメタファーが込められた展示となることは間違いない。
考えるな、感じろ……。そう己に言い聞かせつつ、スミルハン・ラディックとマルセラ・コレアの来日記者会見へと凸撃した。

 
スミルハン_2
会場にて、スミルハン・ラディック(左)とマルセラ・コレア(右)
© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

 
繰り返しになるが、今回展示を務める2人はそれぞれ、南米チリを代表する建築家と彫刻家。
じつは彼らは、ここ日本の建築&アート界とも親密なつながりを築いてきた存在だった。
 
話は2010年にさかのぼる。舞台は、建築界で最も権威あるイベントと誉れ高き、第12回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展。日本人として、そして女性として初めて妹島和世が同展の総合ディレクターを務めたことでも話題となったその会場に、彼らの名前があった。
躍進目覚ましいチリ現代建築界の旗手・スミルハン・ラディックと、彫刻家のマルセラ・コレア。『魚に隠れた少年』と題して花崗岩の内部をくりぬいたその作品は、建築界とアート界の空隙を突くかの如く、見る者の建築概念を問うインパクトで評価を集めた。
それ以降、東京、今治、仙台、広島と、各地の美術館にスミルハン・ラディックの作品が展示されるなど、彼らの名はここ日本でも知られるところとなっていった。
 
▶ なぜクローゼットとマットレスなのか? 来日中の作家に凸撃!
▶ 次のページへ

いいね!

Recomended Post