Culture / Post
チリから日本へ。銀座メゾンエルメス『クローゼットとマットレス』展
スミルハン_2
会場にて、スミルハン・ラディック(左)とマルセラ・コレア(右)
© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
繰り返しになるが、今回展示を務める2人はそれぞれ、南米チリを代表する建築家と彫刻家。
じつは彼らは、ここ日本の建築&アート界とも親密なつながりを築いてきた存在だった。
話は2010年にさかのぼる。舞台は、建築界で最も権威あるイベントと誉れ高き、第12回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展。日本人として、そして女性として初めて妹島和世が同展の総合ディレクターを務めたことでも話題となったその会場に、彼らの名前があった。
躍進目覚ましいチリ現代建築界の旗手・スミルハン・ラディックと、彫刻家のマルセラ・コレア。『魚に隠れた少年』と題して花崗岩の内部をくりぬいたその作品は、建築界とアート界の空隙を突くかの如く、見る者の建築概念を問うインパクトで評価を集めた。
それ以降、東京、今治、仙台、広島と、各地の美術館にスミルハン・ラディックの作品が展示されるなど、彼らの名はここ日本でも知られるところとなっていった。
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