「盲目の人が働いている、軍のユニフォームを作っている工場がNYにあるんですが、そこで香りのインスタレーションを手掛けています。庭があって、大きな窓があってキッチンがあって、とても素敵な場所なんです。彼らは目が見えないけれど、ほかの感覚は非常に鋭いですから、まず屋外と屋内の香りをはっきりとわけました。イタリアンガーデンにはオレンジツリーを植えて、水飲み場からもオレンジの香りを噴射しています。そしてエレベーターはラベンターの香りに。訪れたお客さんにも良い印象を持ってもらえます。エレベーターというのは全くいい匂いがしたことがない場所ですからね(笑)。カフェテリアは時間によって3つの香りを使用しています。朝7〜11時はカプチーノの香り、11〜14時のランチタイムはシトロエン、レモンウッドの香り、そして14〜17時には昼寝が出来るようなシガー、ウッドの香り。異なる香りをセットした3つのマシンが、時間になると自動に動く仕掛けです」
Culture / Lifestyle
ブランドショップの“香り”の仕掛人! クリストフ・ラウダミエル氏 来日インタビュー
──いま手掛けているアートプロジェクトはありますか?
──香りの可能性を感じますね。
「音楽家が常に音を気にしてしまうように、パフューマーの私はどこに居ても香りが気になってしまうんです。香りは、何か世界を描くとき、感情からエスケープするとき、ディスクリプションを脳に描く時、とても効果的なことは実証されているんです。どのように香りの効果を利用するのか、これから先、大きなビジネスとなっていくと思います」
※正規日本総代理店は株式会社アントレックス、マイクロフレグランス事業部